セラフィムの夜 の商品レビュー
内容(「BOOK」データベースより) 海峡を越える純愛逃避行の行く末に、2人を待ち受ける運命は。“天使”のような肉体をもつ人妻・涼子と在日韓国人右翼・山本がくり広げる物語。
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大島が病むまでは収集のつく話だった。 終盤に出てくる「男」がいい味のある人。 山本が誰も守れなくてイラッとした。人間はみんな自分を探すけど、探さなければもう少し楽に生きられる。ハーフの方はこういう苦悩を本当に抱えているのか気になる。 芳美が可哀想だった。やっと見つけた希望だったろうに。私が芳美のお母ちゃんで自分の子供をあんなめにあわせられたらキレるわ。芳美のお母さんもいい人ではなかったんだろうけど。
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かなしいお話でした。久しぶりに読んだけど、やっぱり萬月はいいなあ。そしてすごい。「この気持ちは男にはわからない」といった女性の心情を描写しているところがあるが、それこそあのスキンヘッドのオヤジが書いているじゃないかと思うと、ゾクゾクする。萬月作品に出てくる女性は美人が多いから共感...
かなしいお話でした。久しぶりに読んだけど、やっぱり萬月はいいなあ。そしてすごい。「この気持ちは男にはわからない」といった女性の心情を描写しているところがあるが、それこそあのスキンヘッドのオヤジが書いているじゃないかと思うと、ゾクゾクする。萬月作品に出てくる女性は美人が多いから共感し難いのではないかと最初は思うのに、気づけば読みながら痛みを感じていたり苦しくなっていたりする。やはり性の本質を、見事に、鮮烈に、狂おしく表現しているからなのでしょう。けして愛のない性と暴力は書かないところが本当に好きです。
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