リジュのテレーズ の商品レビュー
「厳しい生活の単調さのなかで、自分の労苦の実りを見ることなしに生きること」「価値あるものは、外面に現れる行為そのものではなく、そこに込められた愛のみである」 リジュの聖テレーズの生涯と思想についての書。生真面目で几帳面なお嬢さんが、思いつめたらこうなるというような生涯ではあります...
「厳しい生活の単調さのなかで、自分の労苦の実りを見ることなしに生きること」「価値あるものは、外面に現れる行為そのものではなく、そこに込められた愛のみである」 リジュの聖テレーズの生涯と思想についての書。生真面目で几帳面なお嬢さんが、思いつめたらこうなるというような生涯ではありますが、その思想は感動的です。「小さい道」。自分の弱さ無力さを否定せず、むしろ喜び、「幼子の信頼とゆだね」で神に全面的に頼ること。自分の力では何もできないと悟り、徹底的に自我を捨てること。そして、どんな些細な行為も愛を込めてすること。死の直前、急に信じていた神や天国の存在に懐疑的になり、絶望し、苦しむところは、非常にリアルに感じましたし、十字架の道行に重ね合わせて、死ということを考えさせられました。著者は神学者、修道女であり文章は若干、感情的。内容も同じ思想の言い換えが多いように思いました。
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