日本幻想文学集成(29) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
「楕円幻想」を読む．花田清輝も初めて．この作品を学校で読んだ子供に教えてもらうまで，名前すら知らなかった． ティコ・ブラーエやフランソワ・ヴィヨンを軸に話は進むが，その合間に楕円の幾何的な性質や作図法にも言及する．何が言いたいの？ 結局，数学の言葉を散りばめることによって，難解に見せかけたあまり内容のない評論と私は読んだ．読後，子供に学校で習ったことを聞いて驚いた．戦時下の翼賛的な体制批判として書かれた文章だというのだ．なるほどね． 他に「『ドン・キホーテ』注釈」と「ものぐさ太郎」を読んだ． 私にはこの人の言いたいことを読み取る力がない．
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