石橋湛山 の商品レビュー
石橋湛山の生涯と思想を解説しているコンパクトな評伝です。 著者は本書の「はしがき」で、「湛山の価値は、人生にあるというよりその特異な思想にあることは、いまさら贅言する必要はない」と述べ、政治、経済、対外認識などの領域にまたがる湛山の言論活動の中心的な思想を解明することが、本書の...
石橋湛山の生涯と思想を解説しているコンパクトな評伝です。 著者は本書の「はしがき」で、「湛山の価値は、人生にあるというよりその特異な思想にあることは、いまさら贅言する必要はない」と述べ、政治、経済、対外認識などの領域にまたがる湛山の言論活動の中心的な思想を解明することが、本書のねらいだとしています。 湛山が、デューイのもとでプラグマティズムを学んだ田中王堂の思想から影響を受け、彼から受け継いだ「欲望の統制」と、湛山のリベラルな立場を言い表わす「新自由主義」の発想が、彼の言論活動の随所にうかがえることを論じているところなどに、湛山の「思想」に焦点をあてようとする著者の意図がよく示されています。ただ、その思想を統一する中心的な原理を掘り下げることよりも、湛山の主張する「小日本主義」がそのときどきの時局においてどのようなかたちで表明されたのか、その諸相を解説するにとどまっているような印象もあります。 もっとも、湛山は職業的な「思想家」であるよりも言論人であり政治家であることを思えば、上のような感想は的外れなものなのかもしれませんが。
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湛山の世界経済観は著者によれば、自由貿易・国際分業体制ということになるわけだが、現在の巨大国家同士がぶつかる貿易戦争に対して、湛山はどう処方箋を書くだろうか。
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石橋湛山の小日本主義、世界経済論は国際協調主義。 ブロック経済には絶対にならないと主張。自主外交を強調。 経済学を独学でマスターする。 日本近代史上稀に見る気骨ある自由主義言論人。
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