TV 魔法のメディア の商品レビュー
テレビというメディアをめぐる思想史の本です。 著者はまず、テレビに対する批判が込められた筒井康隆の小説を取り上げて、そこに文化的保守主義と共通のテレビ観が潜んでいることを指摘しています。 その後、ベンヤミンやマクルーハン、ボードリヤールといった思想家たちのメディア批判を取り上...
テレビというメディアをめぐる思想史の本です。 著者はまず、テレビに対する批判が込められた筒井康隆の小説を取り上げて、そこに文化的保守主義と共通のテレビ観が潜んでいることを指摘しています。 その後、ベンヤミンやマクルーハン、ボードリヤールといった思想家たちのメディア批判を取り上げ、20世紀においてテレビというメディアがどのような思想的な考察の対象となってきたのかをたどっていきます。 さらに、日本の皇室をめぐる報道や、イギリスの王室関連のニュースの加熱ぶりを取り上げて、大衆社会論的な状況の中でのテレビの機能について考察をおこなっています。 思想史的な内容の本なので、テレビをめぐる20世紀の思想を大まかにたどるには適している本だと思いますが、もう少し突っ込んだ考察が読みたかったという気もします。
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[ 内容 ] テレビへの恐怖と嫌悪はどこからくるのか。 テレビは解放のメディアになりうるのか。 テレビが生んだ新しい視覚文化をめぐるさまざまな論争、湾岸戦争のTV中継の深層などの分析を通して、「イ」の字を写し出した魔法の小箱から国境を越える巨大メディアに成長し、今またマルチメディ...
[ 内容 ] テレビへの恐怖と嫌悪はどこからくるのか。 テレビは解放のメディアになりうるのか。 テレビが生んだ新しい視覚文化をめぐるさまざまな論争、湾岸戦争のTV中継の深層などの分析を通して、「イ」の字を写し出した魔法の小箱から国境を越える巨大メディアに成長し、今またマルチメディア時代に向けて変容しようとするテレビの20世紀を眺望する。 テレビの思想史の新たな試みである。 [ 目次 ] 第1章 脅迫するテレビ―筒井康隆による「テレビ地獄めぐり」 第2章 テレビ小史―誕生から発展まで 第3章 メドゥーサの箱―20世紀思想史のなかのテレビ 第4章 テレビ・バッシング1―1950‐60年代 第5章 テレビ・バッシング2―1970年代以降 第6章 触覚的メディアの現実―テレビ的日常性の構造 第7章 ゆらぐ「現実」のなかで―ボードリヤールと湾岸戦争 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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石原千秋氏推薦。インターネット普及以前の日本のテレビ史については、これ一冊で大枠がフォローできる。(『教養としての大学受験国語』232頁)
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