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わたしの遠足日記 の商品レビュー

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2011/06/23

こないだ「へのへのもへじ文庫」へ行ったときに借りてきた本。その晩のうちに読んでしまった。「遠足」という響きがこころをつかむ。これが「旅」だったら、だいぶ印象が違うだろう。巻頭で、片山健もこう書いている。 ▼どうも私にとって旅というと、出会いとか、人生とか、重さとか、後ろ姿とか...

こないだ「へのへのもへじ文庫」へ行ったときに借りてきた本。その晩のうちに読んでしまった。「遠足」という響きがこころをつかむ。これが「旅」だったら、だいぶ印象が違うだろう。巻頭で、片山健もこう書いている。 ▼どうも私にとって旅というと、出会いとか、人生とか、重さとか、後ろ姿とか、山頭火とか、ホラ、もう今にも時雨れていきそうで、ダメなのだ。  その点、遠足という言葉は素晴らしい。  何というハツラツとした、待ち遠しい、ワクワクするような響きであろうか。(pp.9-10) モンキー岡田さんの本でも、おべんとうのご飯やおかずさんたちが行くのは「遠足」で、旅ではないのだった。遠足、とカレンダーにマルつけて、うきうきとして、てるてる坊主をつくってつるすような、そんな気分になる。 それに、片山健といえば『どんどんどんどん』だとか、なんじゃこりゃあというオモロイのがある。あの人よなあ、と思う。文庫について、本棚でこの本を見たときから気になって、借りてきた。絵もいっぱい入ってる。 長野の松代へ行った遠足「松代にて」では、片山健は、大本営予定地跡をたずねて、地下壕へ入っている。私も、ずっと前の長野でのWeフォーラムのとき、この松代へ行き、片山健とおなじように、わずかの距離だが地下壕にも入った。そのときのひんやりしたかすかな記憶を、遠足日記でわずかに思い出した気がした。 太田大八さんの絵本『だいちゃんとうみ』の舞台をさがしにいった遠足「だいちゃんの海へ」では、尋ね尋ねて、行たり来たり。こうちゃんの家を探しあてて描き、だいちゃんの海を探しあてて描く。郵便配達の人が、ニコニコと話しかけて、その絵本を知っとりますと本当にうれしそうに話されたというところが、ほんとによかった。 遠足、遠足。「遠足」といって出かけたくなる本。

Posted byブクログ