南太平洋とダイビング の商品レビュー

堀武昭(著者)

2010/09/14

マレーシアへのダイビング旅行中に退屈しのぎに読んだ本。

民俗学か何かの研究者である著者が、ダイビングを通じて南太平洋地域のフィールドワークをやってきたという話。

ダイバーにとって、ともすれば美しい海ばかりに目を奪われて、見失いががちになってしまうその地域の文化について、ダイビングとつなげて考察・紹介する試みは非常に面白いものがある。

しかし、本書に書かれている内容はあまりに個人的なエピソードばかりになってしまっており、もう少し一般的な事項を織り込んで、一般読者にも南太平洋地域の理解を進められるような記述にしてほしかったというのが正直な感想である。

また、ダイバーとしての著者の思い出話も、総じて自慢げなものであり、もちろん日本人ダイバーさきがけとして尊敬すべき対象ではあるとは分かっていながら、少々鼻につく感があったことも否めない。