リスニングの指導 の商品レビュー

渡辺浩行(著者)

2016/02/10

　今から20年以上も前に書かれたリスニングのさせ方の手法に関する本で、テープやビデオ、テレホンサービス、など、その時代とのギャップがすごいと思わせる本。
　この時代、インターネットを使って音声も動画も聞き放題・見放題だし、ＤＶＤで字幕のON/OFF、音声の切り替えなどが出来ることを考えると、本当にこの時代の先生たちは大変だなと思う。こういう先生たちが今の時代の教育機器を使えば、どんなアイデアが出てくるんだろう、と思う。
　リスニング指導とは、といった包括的なことが書かれているのではなくて、色んなリスニングのさせ方を48通り紹介したもの、という感じで、今の時代でも使えそうなアイデアはいくつかあった。例えば「絵を描かせるリスニング」で、聞いた英語に合わせて元の絵をプラスしたりマイナスしたりさせる、という例は面白いと思った。ペアで通訳させる、というのも良いと思う。よくおれは「教師：日本語→生徒：英語」をやっているが、これを復習の時間にペアでやらせるというのはアリだろうか、と思う。
　ちょっとこれは…、と思うものもあるし、目新しいものがたくさんあるという訳でもないが、英文を聞かせる、といってもどんな活動をするのか、ということにはこんなにバラエティーがあるということを教えてくれる本。(15/09/17）