アイヌ学の夜明け の商品レビュー
アイヌ語・アイヌ民族に関して、少し集中して本を読みたくなったきっかけとなった本。 文化的に非常に重要な言葉(魂、とか)に、日本語とアイヌ語の共通点があるのは、両者に極めて密接なつながりがあるからではないか、との問題提起。(この話については反論もあるが)
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日本の文化の宝箱のようなアイヌ。 そこから学ぶことはいっぱいあるはずなのに, 体系的な整理が十分ではないかもしれない。 対談,鼎談など12人による情報の宝庫。 アイヌ研究を進める際に,参考にしたい。
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アイヌ民族文化の研究は、今や国際的である。少なくもそう、考えさせてくれる一書ではある。 オーストリア在住にして、アイヌ民族や沖縄の文化研究を手がけてきた学者が来日して編者と対談し、日本の気鋭の学者が研究成果を提案する。 日本文化の研究はその基底部に、アイヌ民族や沖縄の文化が...
アイヌ民族文化の研究は、今や国際的である。少なくもそう、考えさせてくれる一書ではある。 オーストリア在住にして、アイヌ民族や沖縄の文化研究を手がけてきた学者が来日して編者と対談し、日本の気鋭の学者が研究成果を提案する。 日本文化の研究はその基底部に、アイヌ民族や沖縄の文化が意味をもつ。提案の第一である。第二にはアイヌ民族文化研究に、その宗教観が不可欠であるとする。広い意味での、アイヌ民族の世界観というものが宗教的営為のなかに表現されているということであろうか。 その第三は、言語音韻の比較研究である。ただ、言語は時代とともに変化する。比較的変化に緩慢であるのが、地名表記であるとされる。とりわけ、北海道の地名は、その大半がアイヌ語に起源しており、アイヌ語地名と日本古語の比較検討が、縄文文化を介したアイヌ民族文化と日本文化の結節にもかかわる、する。 「アイヌ学」というかたちで提起されるからには、当然、セオリーが必要であろう。そこが、なにをもって規定するのは必ずしも明確ではないが、アイヌ民族文化が国際的にも国内的にも取り組まれ、その豊富化がはかられていることを実感したところが、本書の成果というべきであろうか。
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