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悪魔に委ねよ の商品レビュー

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2011/07/01

大和屋竺が五十五才で亡くなりほどなく編まれた映画論集。しかし大和屋は評論家ではない。脚本家であり、監督で、たまに役者にもなった。ルパン三世の脚本も書いているし、探偵物語も一話担当している。亡くなったのでみなみ会館で特集上映があって、監督作品や脚本作品、出演作をいくつか観た。文章も...

大和屋竺が五十五才で亡くなりほどなく編まれた映画論集。しかし大和屋は評論家ではない。脚本家であり、監督で、たまに役者にもなった。ルパン三世の脚本も書いているし、探偵物語も一話担当している。亡くなったのでみなみ会館で特集上映があって、監督作品や脚本作品、出演作をいくつか観た。文章も、映画のように、脚本のように、書かれているんだろうと思った。テクニックはどうだか知らないが、物の見方のクセ、必要な要素になにをもってくるか、組み立てる、感情が流れる。そういうやり口が、である。リサイタルのつまらなさからはじめ、その観客、聡明すぎる演技へ、処女崇拝からハレンチ学園のヒゲゴジラをだして、テレーズ・エスピノサで結ぶ吉永小百合論。どこから何が出てきて、どういう意味を帯びていくのか。なんやわからんまま、おもしろい。なんやわからんが、ああ私はこういうのがおもしろいんだ、と気づいた、フラグ立っちゃった一冊。おまけにはじめて三月書房のおじいさんに声をかけられた一冊でもある。十七年が経つ。

Posted byブクログ