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沙漠を緑に の商品レビュー

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2017/01/23
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1993年刊。著者は鳥取大学乾燥地研究センター助教授。著者の研究、実地体験・試行錯誤に加え、沙漠緑化先進国(主に米国)の研究内容を叙述する。緑化とはいえ植林・植栽でなく、少雨地域での商品作物(メロン・ブドウ等の果樹や玉葱等の野菜)栽培促進である。かかる商品作物なら眼に見える価値が顕出され、現地での持続性が保障されるからだろう。緑化の具体的方法の点では①点滴灌漑、スプリンクラー、②保水剤(紙おむつ等利用と同じ材質)、③防砂林・防風林(地域的特性あるも、ヤシの木が最適なよう)設置が主。水の徹底的節約が志向。 一方、沙漠毎の特性、例えば、①内陸沙漠と海岸沙漠、②高地と低地、③砂と岩石等の違い、④地下水脈の有無や降水量の僅かな差等が、沙漠環境に特異性をもたらし、緑化の有り方も変えることは、当然のことなのだが、眼を開かれる。とはいえ、緑化事業支援が成功し定着するか否かは、治安・平和、教育の程度、勤勉度等の国民性、眼に見える形での成果に係るというのは、身も蓋もない話し。ただ、もう少し費用を国家的に支弁しても良いように思う領域だ。PS.岩石沙漠は風力発電に適した地域のようであり、ここも要注目。 なお、沙漠でのメロン園が軌道に乗り始めたころ、ネズミが大量発生しメロンを食い荒らした事実が示される。このような沙漠緑化の地域生態系に与える影響を念頭に置きつつ、これを敷衍してか、沙漠自体が持つ地球生態系との関係まで思いを馳せる。もちろん森林消失・沙漠拡大の中、沙漠緑化が喫緊の課題であることは言うまでもないが、念頭に置くべき事情ではある。

Posted byブクログ

2015/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 著者が今まで世界各地で取り組んできた砂漠の緑化プロジェクト。 気候や地層など、場所にそって取り組み方は異なる。 場所は、エジプト、ペルー、中国、イランなど世界各地でのストーリー。 伝統の技術や近代的な大開発、少量の水で栽培する技術。  砂漠といっても、必ずしも砂地ではないし、砂漠の下には膨大な水資源があったりもする。 本のタイトル『沙漠を緑に』の「砂漠」が「沙漠」と表記してあるのは、砂の砂漠が20%以下であるのと、水が少ないということから。  所々に、モノクロ写真や、図が掲載されている。 ただし、ちょっと専門的な事が書かれているのと、淡々と書かれているので、正直飽きてしまった。

Posted byブクログ

2013/01/23

沙漠は、砂漠というのが正しくない。 土漠、岩石沙漠がある。 砂の沙漠は、20%以下であり、 水が少ない土地である<沙漠> という意味にもとづいている。 沙漠を緑にするということは、 農業技術者の夢でもある。 そのことを、鳥取大学の遠山氏は、 親子で、取り組み、確実な成果をだ...

沙漠は、砂漠というのが正しくない。 土漠、岩石沙漠がある。 砂の沙漠は、20%以下であり、 水が少ない土地である<沙漠> という意味にもとづいている。 沙漠を緑にするということは、 農業技術者の夢でもある。 そのことを、鳥取大学の遠山氏は、 親子で、取り組み、確実な成果をだしていることは 画期的である。 砂漠のほうが、農業に適しているとは、驚きである。 農業とはいかに植物に光合成を効率的に行わせ、 これによって得たデンプンを いかにうまく収穫したいところに 蓄えさせるかということであり、 砂漠は、太陽光線だらけであり 温度の日較差が大きいという利点がある。

Posted byブクログ