印度放浪 の商品レビュー
あまりにも静かな。心の中に染み渡って行くような文章。印度そのものをよく観ている。色々と旅をする前に、彼の本に出会えてよかったと思います。
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インドの陰と陽を深く感じれる本。 単なる旅本ではなく、著者の人間模様がインドと言う大陸を通し変化していく。言葉に力があり、写真に心が吸い込まれる。生と死がこの本にはある。
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色んな所を旅したから共感できる。 愚かな旅で、時にそれが滑稽な歩みですらあり、 出会う人々は悲しいまでに愚劣で悲惨で滑稽で軽快で、はなやかだった。 出会う人は高貴だった。 出会う人は荒々しかった。 世界は良かった。美しかった。 歩むごとに、ボク自身とぼくの習ってきた...
色んな所を旅したから共感できる。 愚かな旅で、時にそれが滑稽な歩みですらあり、 出会う人々は悲しいまでに愚劣で悲惨で滑稽で軽快で、はなやかだった。 出会う人は高貴だった。 出会う人は荒々しかった。 世界は良かった。美しかった。 歩むごとに、ボク自身とぼくの習ってきた世界の虚無が見える。 旅は無言のバイブルだった。 自然は道徳だった。 沈黙はボクを捉え、沈黙より出た言葉はボクをとらえた。 死を想う。 事実。真実。史実。 すべてが真ですべてが虚。 諸行無常。
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分厚くって・・・寝転がって読むにはちょいとこまる。 人の撮り方をちょっと真似したいなぁと思うけど、人を撮るのが苦手だからな。
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著者のインド「放浪」の様子。 よく目にする「インド旅行記」とはちょっと雰囲気が違うなと感じる。普段なら、あぁ自分もインドを旅してみたいなー、と思うんだけど、これは静かな気分になる。 あの犬の写真はインパクトがあった。
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放浪がしたかった。あのころは。放浪という言葉のダメダメ感というかジメジメ感というかもしも翼があればなあ。とか。誘惑スル。とにかく。そういう毒々しい思春期がなかなか停まってくれそうな駅が見あたらなくてコマッタ。勇気がないから画家の叔父が印度やらトルコやら中東の辺境から帰ってくるたび...
放浪がしたかった。あのころは。放浪という言葉のダメダメ感というかジメジメ感というかもしも翼があればなあ。とか。誘惑スル。とにかく。そういう毒々しい思春期がなかなか停まってくれそうな駅が見あたらなくてコマッタ。勇気がないから画家の叔父が印度やらトルコやら中東の辺境から帰ってくるたび研ぎ澄まされた表情で淡々と語る世界を指をくわえて聞いてた。23歳で当時の印度を巡りこんなスゴイ本を書いた藤原さんを崇めていた。直接会いたくなって外回りだと告げて写真展へ出かけた。握手してもらおうと人をかき分けて傍まで近寄ったのだがあまりに穏やかな仏様のような面の奥になんだかわからないけど足がすくんだ。「どうぞ。先。。」小脇に写真集を抱え込んだ女に譲ってしまった。何もできなかった。そんな経験はじめてだった。
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「旅」が好きだ。 そしてこの人の作品は、 最も僕の「旅」観に近い。 ただ、この人ほどの才能を、 僕は持ち合わせていない。
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才能に出会った。静かで、真摯な、人生に対する一つの視点 完全に敗北した。徹底的にうちのめされた。こんな感情を味わうのは久しぶりである。この本は、30年以上前、僕と同じ年齢であった23歳の若者が書いた。それが、信じられなかった。徹底的にうちのめされたので、むしろ気持ちよくなった。...
才能に出会った。静かで、真摯な、人生に対する一つの視点 完全に敗北した。徹底的にうちのめされた。こんな感情を味わうのは久しぶりである。この本は、30年以上前、僕と同じ年齢であった23歳の若者が書いた。それが、信じられなかった。徹底的にうちのめされたので、むしろ気持ちよくなった。完全にうちのめされて、藁半紙のような紙に印刷された原色の印度の人々や川の写真が敗北した心に染み入った。才能。もの書きとしては第一級の人物である。椎名誠が子供の遊びに感じられる。。。 冒頭、15年ぶりにこの旅をふりかえった著者が「なぜインドに行ったのか」と質問する若者の影に、過去の自分を投影する。「青年は何かに負けているようだった。たぶん青年は太陽に負けていた。そして、青年は大地に負けていた。青年は人に負け、熱に負けていた。青年は牛に負け、羊に負け、犬や虫に負けていた。青年は汚物に負け、花に負けていた。青年はパンに負け、水に負けていた。青年は乞食に負け、女に負け、神に負けていた。青年は臭いに負け、音に負け、そして時間に負けていた。青年は、自分を包みこむありとあらゆるものに負けていた。疲れたその青年の目は表情を失っているかに見えたが、太陽にいられて眩く白熱する、目の前の地面を、ただぼんやりと見つめ返すだけの意思をわずかに残していた。」著者は、自分は、何かに負けに行ったのではないかと結論する。。。 「火葬」の章の箇条書きがすばらしい。その一つ一つの文章が、まるで、一人の男の人生を支えてきた肉体が火に焼かれ蒸発する際に発する、一瞬の光のようだ。また、「死神」の章の幻惑的な文章がいい。コカ・コーラ伝説の幻想。完璧な文章の背後に、著者はこのような危うさまで抱えている。。。文章に惚れた。
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