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現代思想の系譜学 の商品レビュー

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2023/01/08

「構造主義」および「ポスト構造主義」と呼ばれるフランスの現代思想の潮流について、わかりやすく解説している本です。 著者はまず、19世紀から20世紀にかけて、ハイデガーとアドルノに代表されるドイツの哲学者がおこなった形而上学批判ないし理性批判の取り組みを紹介し、そのモティーフを継...

「構造主義」および「ポスト構造主義」と呼ばれるフランスの現代思想の潮流について、わかりやすく解説している本です。 著者はまず、19世紀から20世紀にかけて、ハイデガーとアドルノに代表されるドイツの哲学者がおこなった形而上学批判ないし理性批判の取り組みを紹介し、そのモティーフを継承しつつあらたな展開をもたらしたのが、フランス現代思想だったと位置づけています。 そのうえで、何人かの思想家たちがとりあげられ、解説がなされています。最初にとりあげられているのはフーコーです。著者によると、従来の理論的ないし思弁的な哲学の枠組みを超えた、実証的で経験科学的な歴史的分析がフーコーの思索のスタイルであり、このようなスタイルを採用することによってフーコーはこれまで形而上学が見すごしてきた「社会化した形而上学」ないし「政治化した形而上学」への根源的な批判をおこなっていると論じられます。 つづいて、フーコーにも見られた「知的実践」に通じる思索のスタイルが、他の思想家たちによってもそれぞれ独自のしかたで追求されていたことが明らかにされています。たとえばドゥルーズの「逃走の思想」や、リオタールの「漂流の思想」、あるいはバルトの「快楽の思想」、さらにクリステヴァやセールといった思想家たちにも、著者はこのような性格を見ようとしています。 なお本書の第三部は、現代思想のさまざまな問題を著者自身の立場から論じた論文六編が収められており、それまでの入門書的な説明とはやや異なる内容になっています。

Posted byブクログ

2014/02/04
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※このレビューにはネタバレを含みます

近代主体主義vs.関係主義。どちらを取るかが政治的態度決定であるというのに、この世界の現実政治の貧困はいったいなんだろう? 特定領域の小哲学(フーコー)、根源へ向かう細部へのまなざし(ベンヤミン)、合成の過剰による調和の力(フーリエ)、これら魅力的な方略の数々は古くて新しい。不在をかこつのはリアルな政治家だけかもしれない。

Posted byブクログ