写楽・考 の商品レビュー
写楽論争に最終的な決着をつけた本である。 1993年の本だが、だいぶ後に読んだのは、個人的に写楽にはあまり関心がないからである。明治時代に外国人の一人が評価したので、日本人がそれにならったということ。 江戸時代の史料を丹念に追い、当時の写楽の住まいまでたどりついている。 写楽の素...
写楽論争に最終的な決着をつけた本である。 1993年の本だが、だいぶ後に読んだのは、個人的に写楽にはあまり関心がないからである。明治時代に外国人の一人が評価したので、日本人がそれにならったということ。 江戸時代の史料を丹念に追い、当時の写楽の住まいまでたどりついている。 写楽の素顔は、阿波の能楽者、斎藤十郎兵衛であるが、能楽者は一年働くと次の一年は休み、じつにのんびりした良い時代だったのだろう。彼はある年の一年の休暇中に、絵を描きまくったらしい。 江戸時代の史料に忠実であることによって、写楽が人気絵師でなかったことも判明したと思う。 あとは板元の蔦屋をめぐる話。メディアとしての浮世絵。 1987年の梅原猛『写楽 仮名の悲劇』の魅力も、作家や絵師たちが集まるサロンのようでもあった蔦屋の話にあったと思う。
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写楽考察の決定版(だと思う) 斎藤月琴の事跡を調べることで 彼が記述した 増補浮世絵類考の信頼性を高めた 斎藤十郎兵衛 ⇒ 斎藤十 ⇒ 藤十斎 東洲斎(とうじゅうさい) 間違いないでしょう!
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