仏の顔もサンドバッグ の商品レビュー
1993年発行だから、小田嶋隆さんが37歳のころのコラム集。って、今の自分より2歳も若いんだぁ、としみじみ。それでこの完成度の高さ…。 いや、もちろん稀代の天才コラムニストと比較するつもりなんて毛頭ありませんが、何か栴檀は双葉より芳しというか、いや、違うか、言っても37歳のおっさ...
1993年発行だから、小田嶋隆さんが37歳のころのコラム集。って、今の自分より2歳も若いんだぁ、としみじみ。それでこの完成度の高さ…。 いや、もちろん稀代の天才コラムニストと比較するつもりなんて毛頭ありませんが、何か栴檀は双葉より芳しというか、いや、違うか、言っても37歳のおっさん(失礼)ですもんね。 この1か月で、小田嶋さんの著作を最新作から遡るように読んで7冊目なので、このような不思議な感慨を抱くわけです。 ただ、今と比べると、若いからか客気がありますね。毒舌ぶりは今よりすごい。 たとえばロック(音楽の)をテーマに、各国を次のように腐します。 まず、フランス。 「あんなデュブデュブした調子の言葉できちんとしたビートが出せるわけがないのである。であるからして、フランス御自慢の音楽であるシャンソンは、アタマのヨワッた老いぼれの独り言みたいな腐った唱法に陥らざるを得ないわけなのだ」 続いてドイツ。 「以前、ドイツ制作のポルノビデオ(想像つくかね?)を見たことがある。それはまったくもって不可思議なものだった。なにしろ、始めから最後まで、ピストン運動しかないのである。しかも、そのピストン運動におけるゲルマン的腰使いは、あくまでも直線一本槍で、テンポも深さも、常に一定なのである」 で、最後はイタリア。 「結論から先に述べれば、イタリアには、ロックは存在しない。あの国中の男女が滑らかな声で歌う事ばかりに心を砕いているカンツォーネ文化圏に入ると、ロックの魂はいとも簡単に死滅してしまうのだ」 けちょんけちょんです…。 よくクレーム来なかったなぁ、と余計な心配をしてしまいますが、当時はまだインターネットが現在ほど発達していなかったですね。小田嶋さんのような物書きさんには、ある意味、いい時代だったかもしれません。 上記のような例を出すと、人によっては取るに足らないコラム集との印象を受ける向きもあるかもしれませんが、テーマは教育論からジェンダー論、先端技術まで幅広く、そのどれもが鋭い着眼点で、深く考察しており、読ませます。読ませるだけでなく笑わせます。 とりあえず、これで「オダジマ巡礼の旅」はいったん終了。付言すると7冊のうち2冊は購入したもの、残り5冊は岩見沢市立図書館で借りました(小田嶋さん、すみません…)。
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小田嶋隆の著作を読むと頭がスッキリする。目からウロコが落ち、脳細胞のシナプスが活発になる。そして、ガハハハと笑っているうちに、オダジマン教の信者となってしまう。 http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20081005/p1
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