解体屋外伝 の商品レビュー
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再読。 洗脳者集団の攻撃によって自己を失ったひとりの「解体屋」―洗脳外しのプロ―の逃亡と反撃を描くSF小説。 「解体屋」〈デプログラマー〉、「洗濯屋」〈ウォッシャー〉、「錠前屋」〈プロテクター〉、命令旋律〈コマンド・メロディ〉、「高速洗濯」〈コイン・ランドリー〉、「意識下の戦争」〈サイキック・パンク〉…等々、独自の用語とそれらに振られたルビが中二的でいちいち格好良い。各章タイトル(「第一章 盲目王の脱出〈ブラインデッド・エクソダス〉」など)も、同様に決まっている。 相手の定めたシナリオに乗らず、言語を用いて置かれた状況を再構築する、というのが解体屋の基本戦略として語られるけれど、それを再確認するような、解体屋とその相棒・ソラチャイとの掛け合いが熱い。 「自分でかけた暗示のトリックに、自分ではまっちまったらおしまいだ。そいつは暗示のレールの上を一直線に走っていくだけさ」「だから」「……暗示の外に出ろ。俺たちには未来がある」 そう示されたあり方が、洗脳や洗脳外しといった小説の枠を越え、生き方のひとつの指針を表しているようで印象的。
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