心にかよう教師の話しことば の商品レビュー

高橋壮之,八田洋弥,藤井治【編著】

2012/03/01

　一般的に教師は話すのが商売と思われていますが、話の長い人は多くいても、話のうまい人はそれほどいるわけではありません。この本は、そんな教師に送るバイブル本の決定版です。ぜひ、若い先生方に読んで欲しいお薦めの一冊です。

　内容は、著名な校長先生や指導主事の方々が、自分の体験談を交えながら、いろいろな場面を想定して、教師の話し言葉がどうあるべきかを分かりやすく解説しています。具体例が豊富なので、読んですぐに役立ちます。

　ただ、そういう体裁の本ですので、どうしても内容的に重複している部分があるように思います。例えば、分かりやすく話すにはどうしたらいいのかという話題は、多少切り口が変わっているにしても、繰り返し出てきます。この本は350ページを超える大作ですので、気軽に通読できるようにするためには、重複している部分をうまく整理してやるといいのかなと思います。

　別の見方をすると、話す相手や場面が変わっても、上手に話すポイントは変わらないと言うことができるかもしれません。また、必要なときに必要な部分をレファレンス的に参照するのであれば、今のままが最良と言えます。

　どの先生のお話も感銘するものばかりですが、特にＴ先生が書かれている章は、どの章もじ～んとくる素敵なお話ばかりでした。