1,800円以上の注文で送料無料

精神と物質 の商品レビュー

4.3

50件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/02/26

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1761718357836157054?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

Posted byブクログ

2023/12/24

優秀な科学者は説明も上手というけれど、非常に解かりやすい。立花隆さんによるまとめる力もあるだろうけど。確かに研究の大半は失敗の積み重ねだし努力は必要だけど、差が出るのはセンスなんでしょうね。

Posted byブクログ

2023/06/17

何かを発見するという事は、研究者の努力の積み重ねだけでできるというものではない。科学というのは自然の探求で、ネイチャー、特に生命現象はロジカルではない。何億年にもわたる偶然の積み重ね、試行錯誤の積み重ねであり、必然性がない。大発見した人は、みんな自分がラッキーだという。 謙遜で...

何かを発見するという事は、研究者の努力の積み重ねだけでできるというものではない。科学というのは自然の探求で、ネイチャー、特に生命現象はロジカルではない。何億年にもわたる偶然の積み重ね、試行錯誤の積み重ねであり、必然性がない。大発見した人は、みんな自分がラッキーだという。 謙遜ではなく、素直な発言なのだろう。ノーベル生理学医学賞を受賞した利根川進。対談相手の立花隆が珍しくついていけない程の専門知の領域。 対比が面白いのは次の内容。人間の精神現象なんかも含めて、生命現象は全て物質レベルで説明が付けられると言うことになるのかと立花隆。それに対し、結局は脳の研究によって、認識、思考、記憶、行動、性格形成等の原理が科学的にわかってくれば、現象を現象のまま扱う人文科学が解体し、ブレインサイエンスになると利根川進。立花隆が納得したのかは分からない。しかし、利根川進の考え方はよく分かる。よく分かるし、究極形なのかも知れない。だから今AIが擬人化し境目が分からなくなりつつある。

Posted byブクログ

2022/10/15

立花隆による利根川博士へのインタビューであります。1987年のノーベル賞受賞後でのインタビューですが、なかなか興味深い所、多々あります。良い研究所の情報量は圧倒的、そこに身を置くことで、様々な情報に触れることができる。また、何がいま重要な問題で、何は重要でないかが、自ずとわかって...

立花隆による利根川博士へのインタビューであります。1987年のノーベル賞受賞後でのインタビューですが、なかなか興味深い所、多々あります。良い研究所の情報量は圧倒的、そこに身を置くことで、様々な情報に触れることができる。また、何がいま重要な問題で、何は重要でないかが、自ずとわかってくる、と。何が本当に重要なのかを充分見極めないうちに研究を始めることは、時間の浪費になる、とも。会社での仕事、課題解決の在り方にも似たところがあるな、と感じつつ(少し僭越ですが)、なるほど、なるほど、であります。分子生物学の関連資料を確り読み込んだ立花隆の、しっかりとした質問に啓発された利根川博士(40代でのノーベル生理学・医学賞 単独受賞者)、かく語りき、であります。★四つです。

Posted byブクログ

2022/10/11

抗体多様性は、生殖細胞から体細胞に分化する際に、遺伝子組み換えが起こることで発生しているものだった! 高校生物の知識レベルでも分子生物学の片鱗を理解することができた。DNA上の遺伝子のごく一部が発現することで抗体などの蛋白質が産生される。ヒトの体細胞は全て基本的に同じDNAを持...

抗体多様性は、生殖細胞から体細胞に分化する際に、遺伝子組み換えが起こることで発生しているものだった! 高校生物の知識レベルでも分子生物学の片鱗を理解することができた。DNA上の遺伝子のごく一部が発現することで抗体などの蛋白質が産生される。ヒトの体細胞は全て基本的に同じDNAを持っていて、発現する遺伝子の違いによって異なる蛋白質が産生されヒトの体ができる。 生命の神秘に触れられる、知的に刺激的な一冊。 サイエンスとは何ぞやというのも少し伺える。 高校生の時に読んでたら生物系に進みたくなっただろう。

Posted byブクログ

2022/01/29

もう博士課程が終わってしまうタイミングですが、ずっと気になっていたこの本をようやく読みました。 生命科学を研究する者としては、分子生物学の歴史という意味でも興味深く(と言っても現時点では利根川さんはまだ現役の研究者ですが)、また科学者としては耳が痛くなる意見もありました。 生...

もう博士課程が終わってしまうタイミングですが、ずっと気になっていたこの本をようやく読みました。 生命科学を研究する者としては、分子生物学の歴史という意味でも興味深く(と言っても現時点では利根川さんはまだ現役の研究者ですが)、また科学者としては耳が痛くなる意見もありました。 生命現象は何億年にもわたる偶然の積み重ねであり、現在の在り方に必然性があるわけではない。そして、自然観が本当の自然の在り方と近くかつ運もある研究者ほど、大きな発見に近づく可能性があるという点は特に印象的でした。 また、人間の能力は限られているため、良いアイデアを思いつく人と画期的なテクノロジーを開発する人は多くの場合に別である、という指摘は科学に限らず広く当てはまると思う。そして、利根川さんのアイデアを実現するにあたって、その当時の最先端で、人脈や情報のハブとなっていたダルベッコの研究室でポスドク時代を過ごしたことが大きな意味を持っていたのだろう。

Posted byブクログ

2022/01/26

実は田中角栄とかじゃなくて科学ライターがやりたかったらしい立花さんの利根川さんとの対談本。事前準備で全部の利根川さんの論文読んだりしてそうな立花さん。そういう相手と楽しそうに話す利根川さん。それを横で聞いている幸福な体験。サイエンス業界の利根川さんの分析がすごい。

Posted byブクログ

2022/01/20

「サイエンスでは、自分自身がコンヴィンス(確信)するということが一番大切なんです。自分がコンヴィンスしていることなら、いつかみんなをコンヴィンスさせられます。」 利根川先生の力強い言葉。 2000年代で学んだ高校生物は、かなり真新しい内容の学問だと感じた。 最先端にいることは非...

「サイエンスでは、自分自身がコンヴィンス(確信)するということが一番大切なんです。自分がコンヴィンスしていることなら、いつかみんなをコンヴィンスさせられます。」 利根川先生の力強い言葉。 2000年代で学んだ高校生物は、かなり真新しい内容の学問だと感じた。 最先端にいることは非常に意義がある。同時に、最先端を知ることは未来を予見することだ。 自分がいる場所がいかに情報的に乏しいか。痛感させられた。 失敗を重ねること。軌道修正すること。また実験に取り組むこと。科学だけじゃない。人生も同じだ。 少なくとも自分の信念は間違ってない。前に進む気持ちを再燃させてくれる本だった。

Posted byブクログ

2021/07/24

精神、感情などはいずれ物質で説明がついてしまうのだろうか?、残念ながらその答えはまだわからないようだ。DNAの配列を決めたのが何者なのか、それとも偶然配列された多数の組み合わせの中から勝ち抜いてきたものだけが現在存在しているのか? 結局根本の謎はわからないままである。

Posted byブクログ

2021/03/14

本書は、立花氏の著作の中でも必読すべき1冊であると考える。ブクロクへ登録するために再読したが、やはりそれは変わらなかった。とりわけ、文系、理系を問わず研究者を目指す者と、ジャーナリストを目指す者は本書を読むべきである。 本書は1987年にノーベル生理学賞・医学賞を受賞した利根川...

本書は、立花氏の著作の中でも必読すべき1冊であると考える。ブクロクへ登録するために再読したが、やはりそれは変わらなかった。とりわけ、文系、理系を問わず研究者を目指す者と、ジャーナリストを目指す者は本書を読むべきである。 本書は1987年にノーベル生理学賞・医学賞を受賞した利根川進氏へのインタビューを中心に構成されているが、利根川氏の研究への姿勢およびあり方は、大いに学ぶべきである。「仮説が間違っていればどんな実験も意味がない」というくだりが出てくるが、これは大部分の学問分野に共通することであって、だからこそ仮説に対して頭を絞るべきであろう。 またインタビューを行うにあたり、立花氏は利根川氏の論文および関連分野の基礎文献を丹念に読み込んでいる。だからこそ、利根川氏からこれだけの話を引き出しているのである(もちろん、インタビュー当時で進行中の研究など、話していないことも多々あるだろうが)。このことは、ジャーナリストにとって最も重要なことである。時には立花氏が疑問を投げかけ、利根川氏が反論する場面もあるが、きちんと文献の読み込みをしたからこその疑問であり、ちゃんと下調べをしている相手だからこそ利根川氏もしっかり反論しているのである。 話を聞く相手の著作をきちんと読んだり、関連分野の基礎知識をある程度学ぶことはジャーナリズムの基本であると思うが、記者会見などを見ているとこれができていない人が思いのほか多いように思われる。こうした人は本書を読むべきだろう。 ノーベル賞を受賞した研究に関するインタビューであるため、決して易しくはないが、所々で立花氏が解説を加えており、まったく分からないというわけではない。高校で生物を取った人であれば問題なく理解できると思う。

Posted byブクログ