聖徳太子(4) の商品レビュー
梅原猛 「 聖徳太子 」 4/4(理想家の孤独) 聖徳太子論の本。壮大な本だった。 聖徳太子の思想概要(三経義疏)、日本建国、聖徳太子の最期と一族の滅亡など論述。日本書紀や聖徳太子に関する文献を基に 著者が文学的想像力により論述するスタイル 蛮国日本を仏教により 文明国家...
梅原猛 「 聖徳太子 」 4/4(理想家の孤独) 聖徳太子論の本。壮大な本だった。 聖徳太子の思想概要(三経義疏)、日本建国、聖徳太子の最期と一族の滅亡など論述。日本書紀や聖徳太子に関する文献を基に 著者が文学的想像力により論述するスタイル 蛮国日本を仏教により 文明国家にしようとした聖徳太子の熱意に感動した
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最終巻では、文化国家建設の理想に燃えながら、しだいに厭世観を強めていった聖徳太子の晩年と、彼の理想が盛り込まれた『三経義疏』を読み解き、さらに失われてしまった『天皇記』『国記』『本記』の内容にも迫ろうとしています。 『三経義疏』では、声聞、縁覚の小乗を乗り越えてそれらを包み込む...
最終巻では、文化国家建設の理想に燃えながら、しだいに厭世観を強めていった聖徳太子の晩年と、彼の理想が盛り込まれた『三経義疏』を読み解き、さらに失われてしまった『天皇記』『国記』『本記』の内容にも迫ろうとしています。 『三経義疏』では、声聞、縁覚の小乗を乗り越えてそれらを包み込む一乗の教えが取られ、また如来蔵思想を重視しているところに、政治家でありつつ同時に仏教徒であった聖徳太子の理想が見られることに着目されます。世俗の有への執と小乗仏教の無への執をともに超えて、有無を超えた空の自由を説いているところに、現世を肯定しようとする太子の思想が伺えると著者は述べています。 また、『天皇記』『本記』『国記』の編纂事業には、中国と朝鮮半島の情勢をにらみながら、「日本」という国家のアイデンティティを確立しようとした太子の意図が見られると論じられています。 広く東アジアの国際情勢を見渡す視座と、現実と理想の葛藤の中を生きた聖徳太子という人間の魅力が、著者の情熱的な文章によって論じられており、読み応えのある作品でした。
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(1~4巻通じての感想です) 読みごたえありました。日本の文献や東アジアの状況などを踏まえた大作で、しっかり書かれています。 梅原猛氏の、科学者としての冷静な分析と文学者としての情熱が文章から感じられました。 直観力、着想はいつものことながら素晴らしいです。 なお、若干気になりま...
(1~4巻通じての感想です) 読みごたえありました。日本の文献や東アジアの状況などを踏まえた大作で、しっかり書かれています。 梅原猛氏の、科学者としての冷静な分析と文学者としての情熱が文章から感じられました。 直観力、着想はいつものことながら素晴らしいです。 なお、若干気になりましたのは、たまに推論、仮定の上に推論、仮定が展開され、いつの間にか事実のように論理展開ているところがあることでした。
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ようやく読み終わりました。長かった〜 自分には思想の話が難しかったですが諸外国との関係から東アジアに位置する日本の外交政策・それによる内政の移り変わりは本当に面白かったです。勉強になりました。 そして太子が大きな人だったからこそその子は大変だったんだろうなあ〜なんて思いまし...
ようやく読み終わりました。長かった〜 自分には思想の話が難しかったですが諸外国との関係から東アジアに位置する日本の外交政策・それによる内政の移り変わりは本当に面白かったです。勉強になりました。 そして太子が大きな人だったからこそその子は大変だったんだろうなあ〜なんて思いました。太子であればあの場での悲劇はなかったんだろうか。 歴史にもし、はないですが本当にもしも、と言う選択肢があれば今の日本は変わっていたんだろうなあと思います。 面白かったです。
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