シェイクスピアの鳥類学 の商品レビュー
めちゃめちゃ濃いです。シェイクスピアというと世界的にスーパーウルトラ有名劇作家/詩人で、現在もシェイクスピアを研究しているリサーチャーは多いぐらい、多分歴史上一番といっていいほど研究されている作家ではないかと思われます。シェイクスピアというとその作品を読めば時代背景もあるかとはお...
めちゃめちゃ濃いです。シェイクスピアというと世界的にスーパーウルトラ有名劇作家/詩人で、現在もシェイクスピアを研究しているリサーチャーは多いぐらい、多分歴史上一番といっていいほど研究されている作家ではないかと思われます。シェイクスピアというとその作品を読めば時代背景もあるかとはおもうが、ナチュラリスト的な観察眼を持ち、昆虫学、動物学、鳥類学に精通し、ファルコニャーでもあった証拠がでてくるんですが、その中から鳥類学的な叙述、鳥類に対する正確な観察と適切な引喩、素晴らしく美しい比喩表現などをほじくり出しまくって、シェイクスピアが実際に鷹狩りの知識があったこと、多くのアカデミックなペーパー的なものを読んで知識をもっていたこと、シェイクスピア自身が博物学者であったことを論述していくという、まっこと細かい書です。が、ものすごく面白いです。引用文になってしまった数行の、しかも訳文ですらパワ溢れる美しさ(原文の単語はそのまま載せてあるので、ある程度のテイストはわかる)。やっぱりシェイクスピアすごいなぁ(研究している著者もすごい)、、と。鳥の箇所ばかり引用しているので、マニアックでものすごく萌えます。鳥好きで、シェイクスピア好きには超超超おすすめ本です。どちらもさほどでもない、と言う人でもマニア的な「うひひ」感は伝わるとおもいますんで、やっぱりおすすめ。読了後もいつも手元に置いておいて、ふとした時にぺらぺらと数ページ目をとおして楽しんだり、音読するのもいい。
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