サービス・マネジメント の商品レビュー
SASの改革からこの本へ。「真実の瞬間」というコンセプトを最初に提唱したのが著者。 サービスという仕事の持つ特徴について、製造業と比較して述べられている所が分かりやすかった。つまり、サービスは無形で貯蔵、再販売できず、生産と消費が同時に起こり、購買者が生産の一部に参加する。 ・...
SASの改革からこの本へ。「真実の瞬間」というコンセプトを最初に提唱したのが著者。 サービスという仕事の持つ特徴について、製造業と比較して述べられている所が分かりやすかった。つまり、サービスは無形で貯蔵、再販売できず、生産と消費が同時に起こり、購買者が生産の一部に参加する。 ・サービス企業は顧客と社会的な相互作用をする必要があり、サービスの生産過程を実際に作り上げるのは、一方では従業員の技能、モチベイションと何らかの道具であり、他方は顧客の期待と行動の二つなのである。 ・繰り返し我々は、顧客の喪失と利益率の間には密接な相互関係がある事を指摘してきた。驚くべきことに、多くの企業が満足した顧客の持つ価値を理解していない。そこで優先順位の設定を間違えるのである。 ・「自分の職員に売れないものは、お客には売れない。」あるお客がレストランに入り、メニューの中から一品を選び、注文したとする。このお客は食べ物にうるさくなく、知識もあまり持たない一度限りの客で、たまたま町に立ち寄った旅行者だった。この日に限りこのレストランでは、注文を受けたその料理に必要な材料を全部揃えることはできなかった。用意された料理は通常の基準に合うかどうか難しい程度の出来であった。シェフはこの料理を出すかどうか躊躇したが、結局出すことに決心した。彼が素晴らしい仕事をしたのか、この店の普段の水準が例外的に高かったのか、顧客の知識の無さと期待水準が低すぎたのか、とにかくこのお客は満足して立ち去った。しかし、だからこれで良かったと言えるだろうか。 否である。職場に、「もし、気が付かないようなら、お客を多少騙してもよい」という新しい習慣が生まれた事になる。顧客は騙すことが出来るかも知れないが、従業員の目を逃れる事はできない。この小さな出来事は結果として、「優秀さを生み出す能力そのもの」に影響する。
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