アイヌの学校 の商品レビュー
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山越しする道。 累標(ルベシベ)尋常小学校の移転問題 解説は小笠原克 いろいろな課題が残っていることを留保しつつ,本質が何かを示唆している。 「(旧)土人の語については,長見義三自身,本「作品集」第三集収録のエッセイ「旧土人小学校卒業式」で,明治11年11月4日の開拓史「逹」が旧蝦夷人は今は戸籍上一般の平民と同じだが,<自今区別候時ハ旧土人ト可相称>と通達した事実を引用し,この官製用語への憤りと批判を滲ませて,<アイヌと言う所を「土人」とか「部落(コタン)」と置き換えなくては,彼等に対する礼を失することになる>と辛辣に会釈している>」 「地の文で,また,作中人物の感性や慣用として,これらのコトバが用いられているのは,当時の日本および日本人の実態を踏まえた作者の表現意識のあらわれであり,おのずから,先住民族の存在についての歴史的証言となっているのである。」 歴史的記録としての小説という視点で読むとよいかもしれない。
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