タアキイ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
めちゃくちゃ面白い本でした。 水の江瀧子さんの恋について知りたく手に取りましたが、SKD設立、昭和初期のレビューガールの様子がよく分かります。 中山千夏さんが丁寧に資料を吟味し、重ね合わせてこうだったのではないかと導き出す筆致が、謎解きをしているようでしばしば興奮しました。 松竹楽劇部入部当初、別の少女から芸名の交換を要望され応じたエピソード、この本ではその少女について深くは言及していないのですが、調べてみると後のミス・マヌエラとのこと。彼女の生涯もひっくり返るエピソードの連続で、これは必ず「上海ラプソディー」を読まねばなるまいと強く思いました。しかし水の江さんも中山さんも、それが後の誰なのかを書かずサラッと流しているのが、お二人のサッパリしたご気性を感じて大変好ましく思います。 今度浅草のマルベル堂でタアキイのプロマイドを探そう…と決心しました。
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20年ほど前に書かれた本である。今ではその生舞台を見た記憶のある人もごく僅かになってしまった水の江滝子の伝記である。昭和10年頃の東京舞台芸能の世界を知るには重要な本であろう。伝記としては、やや思い入れが強すぎるかもしれないが、よく文献を読み込み、冷静に判断してある良書だと思う。
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