青きドナウの乱痴気 の商品レビュー
世界史の教科書などで…
世界史の教科書などではあまりクローズアップされない1848年のウィーン革命を取り上げた作品です。抽象的な理論で論じられがちな革命という出来事を、当時の史料を豊富に用いて、民衆の視点から再現した素晴らしい作品です。とてもおもしろいので是非読んでみてください。
文庫OFF
1848年革命のウィーンを描いた本。時系列順に異なる立場の人々がいかに革命に参加していったのか、そして最終的に革命がどうなったのか述べており、非常にリアルな当時の人々の様相が伝わってくる。ウィーンの状況に話が集中するため、だいたいの周辺状況など予備知識がないと取っ掛かりづらいこと...
1848年革命のウィーンを描いた本。時系列順に異なる立場の人々がいかに革命に参加していったのか、そして最終的に革命がどうなったのか述べており、非常にリアルな当時の人々の様相が伝わってくる。ウィーンの状況に話が集中するため、だいたいの周辺状況など予備知識がないと取っ掛かりづらいこと、そして最初の地図をできればコピーして都度眺められるようにしておかないと話の位置関係がよく分からなくなってくることに注意。一点集中で知識を深める本。
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★3.5だが、いろんな意味のおまけで。 随分久方ぶりの再読、買ったと思ってたけど図書館で借りたんだなぁ、その昔は。 さておき、改めて社会史の傑作を読み率直に思ったことは 、 ・社会史の前提になる教科書的知識が無いと面白みが相当に減少する ・その地域の土地勘というか、位置関係を知...
★3.5だが、いろんな意味のおまけで。 随分久方ぶりの再読、買ったと思ってたけど図書館で借りたんだなぁ、その昔は。 さておき、改めて社会史の傑作を読み率直に思ったことは 、 ・社会史の前提になる教科書的知識が無いと面白みが相当に減少する ・その地域の土地勘というか、位置関係を知っていないとこれまた面白みが減少する というありきたりのことでしょうか。でもこれ凄く重要。その意味で、受験的知識の詰め込みをモノにすることは重要だし、海外旅行をしてその地域を直に感じることもこれまた重要だと改めて感じる次第。
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1948年の革命を社会史の視点で書いています。「社会学」みたいなのがつくと、ヴェーバーだのブルデューだのの理論が出て来るものが多いのだけど、この本は、労働者のハチャメチャぶりに焦点を当てていて、とても痛快です。 初版は1985年、その翌年に私は初めてウィーンに行きました。その後も...
1948年の革命を社会史の視点で書いています。「社会学」みたいなのがつくと、ヴェーバーだのブルデューだのの理論が出て来るものが多いのだけど、この本は、労働者のハチャメチャぶりに焦点を当てていて、とても痛快です。 初版は1985年、その翌年に私は初めてウィーンに行きました。その後も行ったのですが、この時は、バブルの日本に比べ、昔のよさが残っていました。マリアヒルフ・プラーターがよく出てきますが、ここはこの擾乱の中心だったのですね。
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舞台は1848年、ウィーン。1848年革命——通称「三月革命」にはじまる激動の一年を活写した一冊です。 三月革命といえばウィーン体制崩壊の引き金をひいた革命と認識されており、歴史的にも重要な位置にあります。その革命を記述するにあたって著者が選んだのは、教科書的な方法論ではなく、...
舞台は1848年、ウィーン。1848年革命——通称「三月革命」にはじまる激動の一年を活写した一冊です。 三月革命といえばウィーン体制崩壊の引き金をひいた革命と認識されており、歴史的にも重要な位置にあります。その革命を記述するにあたって著者が選んだのは、教科書的な方法論ではなく、民衆の側からウィーンの風俗を描くというものでした。 美食を楽しみ優雅な日々をすごす貴族、コーヒー・ハウスに集い議論をかわすウィーン市民、抑圧されながらも日々を逞しく生きる職人、そして故郷なき流民とプロレタリアート・・・・・・ウィーンを彩る人々が歴史のうねりを巻き起こし、多方面から革命に関わってゆく様は実にスリリングです。知的でありながらどこかくだけた語り口もあって、読み進めるにつれて当時のウィーンの人々が隣人のように思えてきます。 革命の勃発、皇帝の遁走、学生と職人と労働者の春、そして革命の終わり・・・・・・終章「リンデンの葉がおちて」の余韻には忘れがたいものがあります。名著といっていいでしょう。 お勧めです。
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