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こころの病いと家族のこころ の商品レビュー

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2009/10/04

 この本は精神障害者の家族が書かれた数少ない本です。滝沢武久氏の講演は、私も大阪PSW協会の研修会で聞いたことがあります。そのときの内容もこの本を元にされたものでした。これまで福祉的な視点から精神障害者や家族の生活上の苦悩は表に出ることはほとんどなかったのではないでしょうか。それ...

 この本は精神障害者の家族が書かれた数少ない本です。滝沢武久氏の講演は、私も大阪PSW協会の研修会で聞いたことがあります。そのときの内容もこの本を元にされたものでした。これまで福祉的な視点から精神障害者や家族の生活上の苦悩は表に出ることはほとんどなかったのではないでしょうか。それは、精神障害者とその家族に対する偏見と差別があまりにも強かったからです。そして、このことは現在でもいささかも変わっていないのが実状です。  こういった実状について精神障害者の家族であり、ソーシャルワーカーでもある滝沢武久氏が語りかけます。  はじめにには、次のように書かれています。  「『精神病者家族』あるいは『精神分裂病家族』といわれ、ひごろ、あまりにも抑えた言動しかしない精神病者を身内に抱えた家族。  (途中省略)  しかし、精神病者の家族の悩みや苦しみといっても、その家族や本人以外のどんな人がどれほどでも耳を傾け、誰がその悩みや苦しみを取り除くことに努力してきたでしょうか。  (途中省略)  小書は、私自身の50年あまりの人生の歩みと、職業として患者や家族に接してみた、その中からの声を知らせたかったものです。」

Posted byブクログ