ブックガイド心理療法 の商品レビュー
ある人に「心理学を勉強している」と言ったら、「へえ~、恋愛心理学?」と茶化されてしまったことがある。こちらのスケベ面のせいだけでなく、これは巷に溢れる<心理学本>の影響もあるのではないかと思われる。「心理学による」相性診断、女性の口説き方、モテる男になるには、などなど。 これに加...
ある人に「心理学を勉強している」と言ったら、「へえ~、恋愛心理学?」と茶化されてしまったことがある。こちらのスケベ面のせいだけでなく、これは巷に溢れる<心理学本>の影響もあるのではないかと思われる。「心理学による」相性診断、女性の口説き方、モテる男になるには、などなど。 これに加えて、人と付き合う法とか、幸せをつかむ考え方、生きるのが楽になる、簡単リラクゼーション、成功法則、効率的勉強法… まったくあきれるぐらい「心理学的」実用書は氾濫している。 なので目的にかなうような本を探すのには慎重にならざるをえず、そのためにこのようなガイドブックはありがたい。読まずに読んだふりをする助けにもなる。 著者が言うには、心理学概論のような本を書いていて、明確なことを言ってみても。すぐそのあとに、しかし、と反対の考えを提示したり、留保条件をつけたりしているうちに収拾がつかなくなることがあるそうだ。 そもそもあらゆる学問はそういうものであるだろうし、またそうであってもらわなければ困るとも感じるのだが、心理学はとりわけその傾向が強い。 絶対もなければ単純な二項対立もない。だから面白いのだが、青年老い易く学成り難し、をいよいよ痛感させられる。
Posted by
- 1