錬金術師通り の商品レビュー
2015.9.12市立図書館 旧市街の暗くよどんだ路地裏のような不気味な空気、人目をはばかってそっと耳打ちするような会話、その身の上話や打ち明け話はどこまでが真実か? ウィーン、ブラティスラヴァ、クラクフ、プラハ、リュブリアーナ。東欧の5つの都市を舞台に、語り手が旅先でであった人...
2015.9.12市立図書館 旧市街の暗くよどんだ路地裏のような不気味な空気、人目をはばかってそっと耳打ちするような会話、その身の上話や打ち明け話はどこまでが真実か? ウィーン、ブラティスラヴァ、クラクフ、プラハ、リュブリアーナ。東欧の5つの都市を舞台に、語り手が旅先でであった人物の回想に耳を傾ける。夢か現か幻か、虚実のあわいをさまようような短編集。 レポレロの回想(ウィーン) 薬物博物館(ブラティスラヴァ) クラクフにて カフカの一人息子(プラハ) ヴァスコ・ポパのこと(リュブリアーナ) 書籍タイトルは「カフカの一人息子」より ついこの間読んだ『岸辺のヤービ』(梨木香歩)にでてきたトリカの「きょげんへき」のことをちょっと思い出した。 追記)絶版本、Amazonにて古書を購入 この本の作風になつかしさを感じるのは、著者がかつて<ちくま文学の森>シリーズの編者のひとりとして古今東西の数多の作品を取捨したときに得たものが大きかったのではないか、と思い当たった。 <文学の森>の「奇想天外」とか「思いがけない話」のような巻に入っていてもおかしくないような雰囲気。
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「レポレロの回想」−ウィーン 強制収容所で体験した傷みの記憶から逃れられない老人の話 「薬物博物館」−ブラティスラヴァ 共産党支配下の東欧で生きおおせたインテリ老人の話 「クラクフにて」−クラクフ 「ヴェニスに死す」タッジオのモデルとなった老人を訪ねる話 「カフカの一人息子...
「レポレロの回想」−ウィーン 強制収容所で体験した傷みの記憶から逃れられない老人の話 「薬物博物館」−ブラティスラヴァ 共産党支配下の東欧で生きおおせたインテリ老人の話 「クラクフにて」−クラクフ 「ヴェニスに死す」タッジオのモデルとなった老人を訪ねる話 「カフカの一人息子」−プラハ カフカの息子と名乗る男の私設博物館を訪ねる話 「ヴァスコ・ポパのこと」−リュブリアーナ スロヴェニアからパリへ渡りウィーンで死んだ画家の故郷を訪ねる話 人気TVプロデューサーだった男の人生を描いた映画の最後の台詞、年老いた主人公の言葉を思い出す。 「次に作ってみたい番組は、前にピストルを置いて素人の老人に過去を赤裸々に告白させる番組。語り終わった後で自殺しなかった奴が勝ち。」 生きることは常にどこか苦く、その苦味が重なり合って都市の陰影となる――そんな短編集だった。
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プラハでカフェに入ったら、注文を取りにきたお姉さんに、「ロシア語を話すか?」ときかれた。結局、いいかげんな英語と彼女のドイツ語でなんとかオレンジ・ジュースが飲めた。でも高かった、ファンタにしておけば良かった。ブタペストにもあったM&Sで買ったサンダル、今度は絶対入りたい、チェスキ...
プラハでカフェに入ったら、注文を取りにきたお姉さんに、「ロシア語を話すか?」ときかれた。結局、いいかげんな英語と彼女のドイツ語でなんとかオレンジ・ジュースが飲めた。でも高かった、ファンタにしておけば良かった。ブタペストにもあったM&Sで買ったサンダル、今度は絶対入りたい、チェスキークロムロフのエゴン・シーレ美術館。チェコでは「ムハ」と発音するミュッシャ・・・。これらは自分の旅の思い出ですが、また行きたくなるようなそんな気持ちにさせられます。
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