花の幻想 の商品レビュー
借りたもの。 花の妖精の庭の花々が人間の世界に憧れ、妖精の反対を押し切り、人間に姿を変えて生活を始める物語。 当時のヨーロッパ社会のライフスタイルも垣間見れるのではないだろうか。 グランヴィルによるフランス語版豪華装丁本の挿絵は美しい。 全てではないが照らし合わせて読める。 擬人...
借りたもの。 花の妖精の庭の花々が人間の世界に憧れ、妖精の反対を押し切り、人間に姿を変えて生活を始める物語。 当時のヨーロッパ社会のライフスタイルも垣間見れるのではないだろうか。 グランヴィルによるフランス語版豪華装丁本の挿絵は美しい。 全てではないが照らし合わせて読める。 擬人化花々の衣装は現在のファッション・コレクションにありそうな、斬新なデザイン(茎や葉まで装飾に!)で惹かれる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どうぞ、目を上等のリネンのハンカチーフで覆って 閉じていてください。 この秘密が誰にも知られることのないように。 可憐な花達が自ら望んで人間となり、生きていく。 彼女達は最初、誰もが上手くいくと信じて疑わない。 人間は生きていく間に、誰にも困難が待ち受けているというのに。 文字通り蝶よ花よと生きてきた花達に待ち受けるは試練や 苦痛、また悲劇ばかり。 なかには例外もいるけれど、無垢で純真な花達に人間の世界は 汚れすぎている。 愛でて育てられる薔薇さえも愛を与えることを出来ないのは、 やはり愛される立場を享受していたせいなのだろうか。 物語の間に挿入されている花達はどれも艶めかしく悩ましい。 巻末に収録されている花達の話も読んでみたかった。 永遠の愛のしるしである彼女はよく知っていたのです。 人間の世界に、彼女のための居場所などないということを。
Posted by
- 1