甲羅男にカブト虫女 の商品レビュー
奇才チュツオーラ御大の短編集。奇想が光っている。 昔噺を「そのまま」文章にしてしまったような、とりとめのなさが味わえる。本来、物語そのものには意味がないはずだ。直言的な教訓などもってのほかだろう。それでは物語の意味がなくなってしまう。だいいち...つまらない。“意味に到達する前...
奇才チュツオーラ御大の短編集。奇想が光っている。 昔噺を「そのまま」文章にしてしまったような、とりとめのなさが味わえる。本来、物語そのものには意味がないはずだ。直言的な教訓などもってのほかだろう。それでは物語の意味がなくなってしまう。だいいち...つまらない。“意味に到達する前”(by 安部公房)の与太ばなしを楽しめた。特に『裏切りアデ』はラストで大爆笑。なんだかなあ。 ただ、とりとめのなさという点では、傑作『やし酒のみ』に劣る。もっとふしぎなものたちが出てきてほしかった。 ところで、表紙絵と挿絵は、御大の同郷かつ友人であるアーティストのものらしい。力強さと妖しさが無秩序にまとめられていて、とても「アフリカ」っぽい。中身とぴったりです。
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短編集。 甲羅男とカブト虫女の逸話とその後。他、いろいろ。 優男カメは国を裏切り、王の呪いで甲羅を背負った甲羅男にされてしまう。ジャングルで出会ったのは美しいカブト虫女、調子良く口説いて結婚する。 世間知らずな兄弟は詐欺師に騙され、不義理な親友を助けた誠実な男は殺されてしま...
短編集。 甲羅男とカブト虫女の逸話とその後。他、いろいろ。 優男カメは国を裏切り、王の呪いで甲羅を背負った甲羅男にされてしまう。ジャングルで出会ったのは美しいカブト虫女、調子良く口説いて結婚する。 世間知らずな兄弟は詐欺師に騙され、不義理な親友を助けた誠実な男は殺されてしまう。 勧善懲悪なんて何の事?、ってな感じですな。 調子良く生きぬいてゆく者勝ち、騙すが勝ちってな世界。 かと言って、殺伐としているわけではなく、歌ったり踊ったり、結構楽しそう。 訳者が、昔話風の口調に訳している効果もあって、なんだかのんびりした雰囲気です。 ジャングルに囲まれ、魔術や死が身近にあるからこそ、生き抜いた者が正とされるんでしょうか。
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