猫の恋 の商品レビュー

高田桂子【著】

2015/03/03

ティーンのお嬢様が祖母の家へ家出するところから始まる成長物語かと思ったら、ら？
おばあさんと子猫の交換日記を読んでるみたいだった。

おばあさんは決意する。成長するのは猫。
けどおばあさんもちょっと成長した。一歩踏み出すことを決めたのは成長だよね？

かわいい装丁に似合わない重くて真剣な人生の話だ。このアンバランスさが、そのままこの本を表しているのかも。

６０年間、自分らしくない虚ろな時間を抱えて生きる。そういうことが起こり得るんだ。人間には。自由を手に入れた弊害かな。選択肢は無限にある。けれど誰もが常に自分の心に沿った選択をできるわけではない。
けれど、生きている限り手遅れはない。

シニア文学（っていうの？）ははじめて読んだ。