奇岩大陸 の商品レビュー

難波毅【著】

2021/05/30

いろいろな絶景写真集をみているうち、オーストラリアにもエアーズロックだけでなく、いろいろおもしろい岩があることが分かってきた。そんななかこの写真集を見つけた。タスマニアも含め、あますところなくオーストラリアの「岩」の世界を堪能できる。
　タスマニアにも柱状節理があることが分かり、タスマニアデビルくらいしか思い浮かべることのなかった所に目をむけるきっかけになったのも大きい。

写真家の難波氏はエアーズロックを前にしてその圧倒的存在感に胸をつかれる。1986年以後6年間にわたり、四輪駆動車を駆り大地を撮った。夜はキャンバス地でできた寝袋にくるまり直接大地にころがり夜空を見ながら眠る。オーストラリアらしさは、アウトバックと呼ばれる乾燥した大地の「地質」にこそあると、難波氏。

＜オーストラリア＞
「デビルズ・マーブルズ」(DEVILS MARBLES)（表紙）中央北部
直径数メートルもある２つの石が不安げにバランスをとっている。表紙は石は１つだがその左にもうひとつある。大石の下にも岩岩があり、その上に２つの石が乗っている。

「バングル・バングル」（BUNGLE BUNGLE)北西部、
縞縞のこげ茶の岩の連なり。

「マクドネル・レンジ」(MACDONNELL RANGES)中央部
大陸のほぼ中心を並行な尾根列が東西500キロにわたって走る。

「ピナクルズ」(PINNACLES)南西部海岸
何本もの石灰岩の柱が砂漠に林立する。円錐形の先のとがったものや、先の丸いものもある。

「アント・ヒルズ」(ANT HILLS)中央部
草むらの中に小さな岩が点在か、と思ったら白アリのアリ塚。巨大なのは高さ5ｍもある。

「タイダル・ウォーターフォールズ」(YIDAL WATERFALLS)北西、キンバリー、タルボット湾
二つの狭まった入江に海水が滝のように流れ込む。ＴＶでみたことがあった。

＜タスマニア＞
「オルガン・パイプス」（ORGAN PIPES）タスマン半島南西端ロール岬。
これはすごい柱状節理。海岸から林立。

「アクロポリス」(ACROPOLIS)クレイドル山セントクレア湖国立公園
これは内陸の柱状節理。

「TESSELLATED　PAVEMENT」モザイク歩道　タスマン半島東部
亀の甲羅が四角になった感じで、海岸に続く。

巻末に地質学者、諏訪兼位氏の「オーストラリア大陸の構造」とする解説と写真の場所の地図がある。

難波毅写真展2010.10.12-22　　オーストラリアへのいきさつ
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/culture/exib/400256.html

1993.4.1発行　図書館

タスマニア柱状節理探訪ブログ
タスマニアには柱状節理が多くあるようだ。
https://utasmania.com/post/28401729466/burnie-tasmania-dolerite