日本思想史入門 の商品レビュー
「歴史は繰り返さない」、という考察が印象的でした。時代が違えば性質が異なってくるのだそう。戦争になるけど例として、文禄・慶長の役と日清戦争と日中戦争は全て中国が相手だけど別物だと。確かに。これは新たな視点でした。 宗教論も興味深く読みました。日本に宗教戦争無いと思ってたけど思いっ...
「歴史は繰り返さない」、という考察が印象的でした。時代が違えば性質が異なってくるのだそう。戦争になるけど例として、文禄・慶長の役と日清戦争と日中戦争は全て中国が相手だけど別物だと。確かに。これは新たな視点でした。 宗教論も興味深く読みました。日本に宗教戦争無いと思ってたけど思いっきりありました。天台宗と日蓮宗が争って浄土宗が参戦してた。。 思想史、となってるので体系的に書かれてると思いましたが、書きたいテーマを自由に並べてたように思えます。93年に出版されているのでこの時点でこれか、と思うこともあれば、それは今はちょっと違うのでは?というところもあり。深堀したくなりますがどこからどう引っ張ってきたら良いやら。。
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「日本思想史入門」というタイトルですが、日本思想史の流れを概観するといった内容の本ではありません。著者が日本思想史のなかに見いだしたいくつかのテーマについて自由に議論をおこなうというスタイルで書かれており、「筆者の確信するところでは、これら若干の論点・争点群はかならずしもランダム...
「日本思想史入門」というタイトルですが、日本思想史の流れを概観するといった内容の本ではありません。著者が日本思想史のなかに見いだしたいくつかのテーマについて自由に議論をおこなうというスタイルで書かれており、「筆者の確信するところでは、これら若干の論点・争点群はかならずしもランダムな抽出ではなく、いったん事あるたびに、つまり一朝有事の際には不可避的に持ち上がってくる「日本問題」の数々であるはずなのだ」と「あとがきに代えて―エピローグ」のなかで述べています。 具体的には、日本における「東」と「西」の思想的意義や、超越と土俗との関係、一向宗における一神教的性格、神仏習合、国学、近世における貨幣経済などのテーマがとりあげられています。 大学のテキストで用いられているような日本思想史の概説書を期待した読者のニーズにこたえるような本でないことはたしかです。いわゆる現代思想の議論のスタイルに影響を受けた著者の本になじんでいる読者にはそれほど違和感なく読めるのかもしれません。
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