大黒天信仰と俗信 の商品レビュー
昔から仏像が好きだったのだが、大黒さま、と名づけられている仏像のバラエティの豊富なこと、というか、節操のないほどにいろいろあることがずっと謎だった。 この本で大黒さまがインドの神さまとして産まれ、中国経由や南アジア経由で広まるあいだにそれぞれ新たな性格を得て日本に渡来し、ま...
昔から仏像が好きだったのだが、大黒さま、と名づけられている仏像のバラエティの豊富なこと、というか、節操のないほどにいろいろあることがずっと謎だった。 この本で大黒さまがインドの神さまとして産まれ、中国経由や南アジア経由で広まるあいだにそれぞれ新たな性格を得て日本に渡来し、また日本でもだいこく、という名や渡来するうちにできあがった性格や姿から、大国主命と同一視されてまた新たな性格が付け加わり...というふうに、いろいろな性格を持たされて複雑怪奇な状態になっているらしいということがよぉく分かった。 作者はどうも郷土史研究家というか、趣味で歴史を学んでいる人のようだが、市井でこういう本を書く人がおられるなんて、まだまだ日本も捨てたもんじゃないね、こういう仕事のできるご隠居を目指したいねという意味でも面白かった。
Posted by
- 1