ウロボロスの偽書 の商品レビュー
1993年発行、講談社の講談社ノベルス。話の内容があまりにつかめなかった。ここまで複雑だと私は駄目ですね。それにしても現実にこんなことが起こったら編集者はどうするのだろうか、結構法的問題がありそうだから連載は止めるかも。そういうこともあってこの小説内に編集者が出てこないのだろうか...
1993年発行、講談社の講談社ノベルス。話の内容があまりにつかめなかった。ここまで複雑だと私は駄目ですね。それにしても現実にこんなことが起こったら編集者はどうするのだろうか、結構法的問題がありそうだから連載は止めるかも。そういうこともあってこの小説内に編集者が出てこないのだろうか。まぁ単に冗長になるだけだから、かもしれないですが。 あとがき:「あとがき」竹本建治、「本当のあとがき」竹本建治、「ノベルス版本当のあとがき」竹本建治、
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「匣」がドグラマグラや虚無への供物、黒死館と並び四大奇書と評されているが、 偽書がその並びにあった方がしっくりくるように思う。 現実(現実とされているもの)、別視点の現実、 全くの虚構とされているもの達が、 どんどんその境界を分け入り判然としない混沌へと進み、何が事実で何が絵空...
「匣」がドグラマグラや虚無への供物、黒死館と並び四大奇書と評されているが、 偽書がその並びにあった方がしっくりくるように思う。 現実(現実とされているもの)、別視点の現実、 全くの虚構とされているもの達が、 どんどんその境界を分け入り判然としない混沌へと進み、何が事実で何が絵空事かわからないまま物語は徐々に加速発展し、 ザ・ミステリ的最終舞台をあつらえ、 読者は生煮えのカタストロフで溜飲をどこに流し込めばいいのかわからなくなる。 アンチミステリというジャンルなのと、 作者が終盤作中で語るが、 いわゆるミステリ的体裁をとっていながら、 その読感を期待すると肩透かしをくらう。 完全とは言えない敢えてな伏線回収に、 とはいえ割と知りたかった一部の答え合わせに、 読後は爽快感ではなく、 快楽と疑問と、 後悔と喜びと、怒りなんかが、 グルグルと頭の周りを渦巻いて、 最後のあとかぎのあとがきまで読み終えて、 あぁこの小説は終わったと、 自分では手がつけられなくなった自由研究を強引に終える時のような、無理くり結論を急いだような、怪奇や後味を下に残して、 しばし頭上を見上げ呆けてしまう。 目の前に憮然と叩き売りされている幾重もの謎。 その答えが、 知りたくて知りたくてしょうがなくなり、 合わせ鏡のなかに映る像の中から、 一つの実像を探ろうとするように、 それがまったく糠に釘、暖簾に腕押しで、 蟻地獄に足を取られ、 当たり前にあるはずだった光景が、 徐々にその実像を失っていく。 それが、 そんな混然の物語が、 面白くて仕方なく、 読者は必死になって結末に目を血走らせる。 おや、 と現実と虚構の掛け違いに気づいた時には、 もう両足を雁字搦めに掴まれている。 匣を数段、作者趣味によせ、 一層も二層も多層的に、 作者自身や実在する人物を登場させることで、 この物語の世界は、 純然たる混沌を現出させる。 (現出という言葉は的確では無いかもしれないが) とにかく、 一筋縄ではいかない一筋縄となった話で、 ウロボロス、メビウスの輪、 解けない知恵の輪のような物語。 崇め奉る事も違うし、 しょうもない馬鹿話だと突き放すのも違う。 この話に最適な位置どりがわからない。 ただただ面白い話というそれだけが真理。 一度読んで、 ここでしか味わえない、 竹本ワールドを体感して欲しい。 頭がバグり散らかるかもしれないが、 そこはそれ…… ps. 大分予備知識があった方が楽しめる小説。 プルースト、プロレス、量子力学、思考実験、数学、井上ひさしの文章読本、etc... 大学でも出ていれば割とすんなり理解できるのだろうか。 浅学故序盤はだいぶもたついたが、 そんな僕のようなのでも、 面白さはわかるし、最後まで読み進めることができた。 たぶん完全に理解しなくてもいいし、 完全に理解することなんておそらく出来ない。 降参したわけではなく、 する必要がこの小説には無いのだと思う。 混沌を混沌として受け止めて、 遠巻きから眺める野次馬のような感覚で、 真に受けず、でも能動的に、 読み進めるのが、 ちょうどいい距離感だと個人的に感じた。 竹本作品初見は匣の中の失楽をおすすめします。僕もそうされたし、その方が読みやすいです。
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再読 あっちこっち確認したいときは紙の本が良いけど、単語で検索出来る電子書籍も捨てがたい 迷宮をたっぷり楽しみました
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すごい作品ですね。竹本健治は初めて読んだけど、匣の中の~とかも読んでみたいなと思った。 出だしの4分の1ぐらいの部分ですごいワクワクするミステリー感があるなーと思ったんですが、途中で失速した感はありましたね。風呂敷広げ過ぎかなーと。 でも読んで損はないです。
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<ネタバレ有り> ++++++++++++++++++++++++++++++++ 作者の竹本健治をはじめ作者の周囲の人物やミステリ作家陣が実名で登場。 まさにウロボロス。虚構と現実が尻尾をくわえてぐるぐる廻ってるような不思議な話。読んでいるうちに虚構と現実の境目が曖昧になってきて、何が現実で何が虚構なのかわからなくなってくる。途中まではその不思議な世界に浸っていたのですが、途中から本当にわけがわからなくなってきた。物語は結局大半の謎を投げっぱなしで終了。竹本の家に忍び込んできた黒尽くめの男は?屍体消失事件は…??わけがわからない!そのわけのわからなさを楽しむ小説なんだろうけど、時間をかけて読み終わったわりに後に残るものは何もなかったっていう。(ただし島田荘司がイケメンであることはよぅくわかった。) 作者が表紙の折り返しで言っている「読み終わったときにいつのまにかまわりの世界がすり替わってしまっているような不思議な話を書きたい」という目論見は大成功だと思います。 次作「ウロボロスの基礎論」は、こういう物語だというのを頭に置いて読むとしよう。
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読み終わった。 竹本さんから物語がはじまっていってわーっと拡大・拡散して またしゅーっと一つに収斂していく感じ。 星の生涯みたいな感じ。膨張が一定領域を超えると収縮に転じて ものすごい密度の物体になるというけれども。 この本はそんな感じ。 個人的にはきらいじゃない。
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著者竹本健治自身は無論、竹本の周囲の作家たち(綾辻行人、島田荘司など多数)が、実名で登場。 現実と虚構が交錯する、奇想ミステリー。 「ウロボロス」3部作の1作目。 第2作『ウロボロスの基礎論』 (http://booklog.jp/users/aleksey/archives/...
著者竹本健治自身は無論、竹本の周囲の作家たち(綾辻行人、島田荘司など多数)が、実名で登場。 現実と虚構が交錯する、奇想ミステリー。 「ウロボロス」3部作の1作目。 第2作『ウロボロスの基礎論』 (http://booklog.jp/users/aleksey/archives/1/4062078694) 第3作『ウロボロスの純正音律』 ()
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途中挫折3回くらい。今度こそと挑戦です。 芸者話はすごく面白いけど、途中のエログロ描写とか、 通勤電車ではきつかった。 結果メタメタでちょっとついてけなく…。 もしかしてメタ系向いてないんかなぁ。
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内容(「BOOK」データベースより) 竹本健治の連載ミステリに、ひそかに忍び込む残虐非道な殺人鬼の手記。 連載が回を重ねるにつれ、虚構と現実は、妖しくも過激に昏迷の度を深める。 竹本健治、綾辻行人、友成純一、新保博久、島田荘司…。 ミステリ界を彩る豪華キャストが実名で登場、迷宮譚に花を添える。 『匣の中の失楽』と並び賞される傑作。 *************** 結局「大犯人」は著者の竹本健治って思ってていいですよね。 そう思わないと納得できない(笑) 殺人犯の話、芸者探偵酉つ九の話、著者の日常話の3つが 徐々に混然となり、小説世界、現実世界の境界線が曖昧になっていく その過程の不思議な感覚が楽しかったです。 最初はメタミステリ?と思ったんですがそれとも違いますよね。 ほんとに【変な本】でした。 登場人物に実在の作家さん等が登場するのもリアルでした。 島田荘司ってそんな(風貌)感じだと思ってたけどほんとにそうなの? と思ったり…まああくまで小説なので100信じちゃいけないけど(`・ω・´) あと、もっともっと飽きるほどミステリを読んだ挙句に読んだらよかったのか それとももっと早く、連載の段階で細切れに読んだほうがよかったのか。 そもそも読んでよかったかどうかいまだ悩んでます(笑) 酉つ九姐さんって最初「とりつくね(鶏つくね)」と思ってたけど 「とりっく(トリック)姐さん」なんですよね…何故つくねと思ったんだ(´▽`;)
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どっちがほんとでどっちが小説? おれはどっちで彼はどっち? 足元が揺らぐぜ!! めちゃ怖かったわ。
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