母は未亡人 の商品レビュー
婚約者ある身の未亡人と息子の行方
新たな婚約者がいる未亡人の母に対して、それを快く思っていない息子がいるのは割とよくある構図だが、いわゆる「一竿」に縛られていないために官能面ではむしろ婚約者との場面の方が多いようにも感じるテイストである。もっとも、こうした奪い返しの展開では念願成就をクライマックスとしながら母とは...
新たな婚約者がいる未亡人の母に対して、それを快く思っていない息子がいるのは割とよくある構図だが、いわゆる「一竿」に縛られていないために官能面ではむしろ婚約者との場面の方が多いようにも感じるテイストである。もっとも、こうした奪い返しの展開では念願成就をクライマックスとしながら母とは最後に一度きりといった物足りなさを残すパターンに陥ることもあるのだが、「その後」も描くことで一線を画す目論見を感じさせている。 デキる男にして容姿も抜群、母とも年齢相応のダンディな大人であれば息子の立ち入る隙はなく、息子として溺愛こそすれ当初は異性と見ていない母からすれば未来の新しき伴侶にして父親となるであろう人物とは仲良くしてほしい気持ちがあり、このすれ違いが作品のベースになっている。息子の知らぬ所で戯れる2人に始まり、母の出張先に電話してみれば婚約者の気配を感じ取り不機嫌になる息子が次には描かれていく。手の届かない母に悶々としながら指を咥えて見ているだけの息子である。 しかし、優男然とした婚約者には嫉妬深い裏の顔が隠されており、この豹変が官能面の骨子となっている。他の男に色目を使ったと決めつけては強引に迫り、押し倒し、展望エレベーター内で裸にし、有無を言わさず貫くようなサディスティックな一面を見せる婚約者。こうした突然の変貌に困惑し、将来を杞憂し始める母と、本当の優しさを見せながら異性をも意識させる息子とが交錯する。母子相姦の甘い誘惑路線としながら凌辱テイストを盛り込む、むしろ凌辱が前面に出るのは当時の作者が得意としていたテイストであり、そのシチュエーションの良さもあって淫猥度が高い。遂には仲直りと称して息子不在時の自宅へ乗り込んではまたもや強引かつ緊縛も加えて母を辱める婚約者である。女は従順であれば良いとする男の身勝手さを象徴した振る舞いと言える。 これを退けることで諸々の束縛や世間体などからも己を解放し、晴れて男女の仲になった母子が思いのほか頁を割いて描かれていく。物語からすれば一旦終わった印象から冗長に続くようにも感じられるところだが、最後はお尻まで捧げる母と息子のエスカレートした痴態を描くことで作者としても従前の慣習のごとき構成のしがらみに対して何かしらチャレンジした結果なのかもしれない。
DSK
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