落語的学問のすすめ の商品レビュー
落語家・桂文珍さんの関西大学での講義を文字に起こしたものです。国文学史の講義とあるので「落語」についての説明が主な目的なのだと思います。でも、それ以上の内容を含んでいますよん☆ 文珍さん自身も落語の解説に終始することなく、日常生活に応用を利かせられることを目指しているっぽいで...
落語家・桂文珍さんの関西大学での講義を文字に起こしたものです。国文学史の講義とあるので「落語」についての説明が主な目的なのだと思います。でも、それ以上の内容を含んでいますよん☆ 文珍さん自身も落語の解説に終始することなく、日常生活に応用を利かせられることを目指しているっぽいです。落語的な考え方って面白いですねえ。 落語家というのは多くの知識を持っているのでしょう。そして、機転が利く。それがいわゆる「賢い」「頭がいい」ということとイコールかはわかりませんが、それでも優れた人には違いないなぁと考えています。落語界の情勢はよく知りませんが、桂文珍さんほどの人なら、多分その落語家の中でも上位層になるんですよね。 講義を文字起こししたものなので、基本的には喋りをそのまま載せていると思うのですが、これを読むと「機転が利く」というのがどういうことなのかがわかります。(そりゃ、実際は台本があるかもしれませんし、書籍化する時に書き換えているのかもしれませんけどお・・・(´ε`))とにかく喋りがうまいです。こんな喋りをしてみたいものです。少し攻撃的すぎる部分もありますが。 もともとは平成元年に出版された書籍であるため、ネタは古かったりします。まだ「いけいけ」が出始めたころのようです。いまや死語ですがね。しかし、このトーキングテクニックは一読の価値アリです。 あ、これpart2もあるんですね。ほしいなあ。 【目次】 一講 落語的ギャグ感覚のすすめ 二講 無知に甘えていることが恥ずかしい 三講 笑いは人生の“瀬戸大橋” 四講 今日はシャレでっせ! 五講 ギャグもまた真なり 六講 “危ない”と天才はメビウスの輪 七講 上方落語のルーツは辻咄 八講 眼光紙背で世の中を読む 九講 パラボラ世代の情報感覚を嗤う 十講 “起承転結”のコツ あとがき 解説 谷沢永一
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桂文珍はおもろい(と私は思う)。一時期私は某テレビ局で放送されていた(今もしているのだろうか?)、「ウェークアップ」というニュース(もしくは情報)番組がすっごく好きであった。 司会は桂文珍で、一週間の出来事を面白おかしく紹介し、その後、おかけんたゆうた(「ええ声〜♪」のネタ...
桂文珍はおもろい(と私は思う)。一時期私は某テレビ局で放送されていた(今もしているのだろうか?)、「ウェークアップ」というニュース(もしくは情報)番組がすっごく好きであった。 司会は桂文珍で、一週間の出来事を面白おかしく紹介し、その後、おかけんたゆうた(「ええ声〜♪」のネタの漫才師。かつては「♪咳〜が止まればこの世は楽し」と風邪薬のCMに出ていた)などが、替え歌で一週間の出来事をまとめる番組であった。 まぁ、そんなことはここではどうでもよいのである・・(笑)。 とにかく、当時桂文珍は私のお気に入りであった。AMでは、「セイヤング」を聞くついでに、「文珍のアクセス塾」や、FMの「ジョイフルサンデー」という番組もたまに聞いていたくらい、桂文珍にはまっていた(笑)。 さて、今回紹介する『桂文珍の落語的学問のすすめ』シリーズは、このように私が桂文珍にはまっていた頃に出会った本である。本の内容は、関大の非常識非常勤講師桂文珍の国文学の講義を修めたものである。 しかし、国文学の講義とはいっても、回文(上から読んでも、下から読んでも同じ文章)の話で、「立川談志が死んだら、『ダンシガシンダ』」という文章を例えに出してみたり、「お笑い界では、この2人が仲が悪い」という話など、「おいおい、全然国文学の話ちゃうやろー!」という内容盛りだくさんの本であった(笑)。けれども、さすが桂文珍、途中で話がめちゃめちゃになっても、そこは落語家。最後は見事に落ちを決めるという、なかなかの傑作。
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