ベルリン戦争 の商品レビュー
ベルリンに、1936年から留学しベルリン陥落をまで経験した著者の体験に基づく主にドイツ、それもほぼベルリンとその近郊を舞台にした回想録風の書。当時日本人がドイツでどのように生活していたか、ナチスの報道やややナイーブとさえ言える芸術と文化を信奉し、政治や戦争を考える事をしてこなかっ...
ベルリンに、1936年から留学しベルリン陥落をまで経験した著者の体験に基づく主にドイツ、それもほぼベルリンとその近郊を舞台にした回想録風の書。当時日本人がドイツでどのように生活していたか、ナチスの報道やややナイーブとさえ言える芸術と文化を信奉し、政治や戦争を考える事をしてこなかった著者も最後にはある程度の境地にまで至らざるを得なかった体験が綴られている。 「敵性ラジオの英国BBC放送のラジオが繰り返しヒットラーの自殺を報じている。(…)ヒットラー総統は1945年4月30日午後3時30分、自殺したということである。感無量である。ヒットラー個人の死に対してではなく、ドイツ国の総統が燃え上がる首都の総統地下壕で自殺をしたという悲劇であるからである」(P.318) 「よくもまあここまで破壊したなあと感心するほど何もかもこわされている。コンクリートの道路までもである。しかし僕は思った。これは英米の空襲がなしたものでもなく、赤軍の砲撃がなしたものでもない。これはドイツ人自身が、ナチス自らがなしたものである」(P.327〜328) など印象深い文章も割とある。 第二次世界大戦のヨーロッパ戦線に興味がある日本人読者には必読レベルで推奨できる。
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日本教育舞踊の創始者である著者は、1936年から45年までドイツに留学、ベルリンに滞在した。ドイツ表現主義の舞踊理論を、ルドルフ・ラバンやメリー・ヴィグマンに師事。ドイツ敗戦間際の5月9日、遠くシベリア鉄道に乗って日本へと帰国するべく、モスクワへ辿り着くまで、10年にわたるベルリン生活の、いわゆるエッセイ風滞在記。
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ナチ時代のベルリンに留学していた著者の記録。 市民生活や、ベルリンへの空襲の様相がよく分かる。市民レベルの本が少ない中、外国人という特異な存在ではあるが、市民の目線から見た当時の生活が分かるのは有り難い。
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