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祖父東郷茂徳の生涯 の商品レビュー

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2018/01/27

 太平洋戦争の開戦時と終戦時に外務大臣だった東郷茂徳氏の伝記。著者は,茂徳の双子の孫のうちの東郷茂彦。彼は,ワシントンポストの記者です。  2段組,500ページに及ぶこの伝記は,茂徳本人が巣鴨の獄中で綴った自伝『時代の一面』の内容はもちろんのこと,自伝には触れられていなかった時代...

 太平洋戦争の開戦時と終戦時に外務大臣だった東郷茂徳氏の伝記。著者は,茂徳の双子の孫のうちの東郷茂彦。彼は,ワシントンポストの記者です。  2段組,500ページに及ぶこの伝記は,茂徳本人が巣鴨の獄中で綴った自伝『時代の一面』の内容はもちろんのこと,自伝には触れられていなかった時代のこと(生まれなど)も詳しく書かれています。しかも,家族に宛てた手紙や単なるメモなどについても触れられているので,茂徳の人となりやその時の気持ちなどもより分かりやすく,肉親が書いた分,親しみやすくなっています。  さらに,著者は,多くの既存の文献に当たるだけではなく,自分の足で200人以上もの人たちに聞き取りをしているところもまた,本書を読み応えのあるものにしています。  これだけ分厚いものを読むのは,久しぶりでした。  それにしても,自分を有罪にした東京裁判についてさえ,時代が前に進んで証拠だといっている茂徳。たいしたもんです。

Posted byブクログ