消費文化の幻想 の商品レビュー
大宅映子氏の解説の最後に、この本が~たぶんバブル研究の良い参考書になっていることだと思う。とあり、まさしくその通りになった。 ただし思い望んだ良書としてではなく、やっぱり単なるバブル期の「消費文化論」のひとつとして。 感想を書いているのが2023年秋で、書かれたのは1988年3月...
大宅映子氏の解説の最後に、この本が~たぶんバブル研究の良い参考書になっていることだと思う。とあり、まさしくその通りになった。 ただし思い望んだ良書としてではなく、やっぱり単なるバブル期の「消費文化論」のひとつとして。 感想を書いているのが2023年秋で、書かれたのは1988年3月である。 この過ぎ去った時間が多くの「評論、反省、思考」を経て物事を“客観的”に見せるのだが、書かれている文体や思考法など当時書かれた批判の対象物と何ら変わるものでなく、中身も現代に通じる「ありもしないスタンダード」を重視する平民蔑視の思考であるが、重要視する日本の保守主義の“正統性”を疑う事なく西洋スタンダードをほんの少し前に取り入れただけの猿真似じゃんという批判には向かい合う事もない。ここまで酷く書くのも時代が“結果”を証明しており、確かに軽薄短小の消費文化は消え去ったが、説いている言説は大衆とは関係のないところでのアッパー階層での格差社会の話であって、そういう点では大衆消費社会嫌悪であったりするのだが、2023年の日本ではオーソドックスなどない単なる斜陽社会であり、少子高齢化とイノベーションなき停滞状態が長く続く保守思考が広がって「保守って何も生み出さねえなぁ」と思う時代になっているのだ。
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バブルの時代にこれだけ冷静に消費の歴史を辿りながらバブルがいかに異常なことだったかを教えてくれました。自分のモノの価値観のベースになっている本です。
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