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風景とはなにか の商品レビュー

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2018/06/17

人間存在が身体によってそのうちに自己を投錨している「風景」について、比較的自由に著者自身の思索を展開している本です。 著者自身のヨーロッパ旅行の体験と、バシュラールやジンメルといった哲学者・社会学者や、プルースト、永井荷風といった作家、そしてマネやセザンヌなどの芸術家たちの思想...

人間存在が身体によってそのうちに自己を投錨している「風景」について、比較的自由に著者自身の思索を展開している本です。 著者自身のヨーロッパ旅行の体験と、バシュラールやジンメルといった哲学者・社会学者や、プルースト、永井荷風といった作家、そしてマネやセザンヌなどの芸術家たちの思想を織り交ぜて、風景が人間存在にとってどのような意味をもつのかを考察しています。 エッセイのようなスタイルで、風景についての著者の洞察が綴られており、その思想を明瞭にとりだすことは少し難しく感じてしまいました。とはいうものの、われわれを取り巻く風景は、われわれがそのうちに属している文化的な表象と密接につながっていることはたしかで、そうした問題についてみずから考えるためのいとぐちになるのではないか思います。

Posted byブクログ