蔵(下) の商品レビュー
大正から昭和初期、新潟の大地主の家に生まれた、目に障害をもつ少女烈とその家族の物語。 上巻ではワガママな所が目立つ烈だが、下巻ではしっかりと考えをもった少女に成長していき、その姿に感心させられる。 主人公のまわりの登場人物にも魅力があり、特におばの佐穂の人間性は素晴らしいと思った...
大正から昭和初期、新潟の大地主の家に生まれた、目に障害をもつ少女烈とその家族の物語。 上巻ではワガママな所が目立つ烈だが、下巻ではしっかりと考えをもった少女に成長していき、その姿に感心させられる。 主人公のまわりの登場人物にも魅力があり、特におばの佐穂の人間性は素晴らしいと思った。 会話は全て新潟の方言で書かれており、最初は読みづらいが慣れてくると味わいがある。
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細やかな心の動きや時代背景が丁寧な新潟弁で書かれていて たった100年前の日本はこんなにしっとりと情のあつい国であったかと思う 新潟の裕福な大地主の家が舞台 たっぷりの米を使って造り酒屋を始める 家業は順調ながら なかなか子供に恵まれない まだ明治になる前 誰もが貧しく ...
細やかな心の動きや時代背景が丁寧な新潟弁で書かれていて たった100年前の日本はこんなにしっとりと情のあつい国であったかと思う 新潟の裕福な大地主の家が舞台 たっぷりの米を使って造り酒屋を始める 家業は順調ながら なかなか子供に恵まれない まだ明治になる前 誰もが貧しく 近親結婚も多かったせいで 死産は珍しくない 生まれても幼いうちに亡くなってしまう また鳥目も多い そんな中でたった一人美しく成長する娘がこの鳥目とわかりついには全盲になるが 目が見えない分感受性豊かに育っていく あまりにも有名な作家の代表作分厚い上下二巻 手に取ると細かい文字がびっしり ついついたじろいでしまったが この度亡くなられたのを機に挑戦してよかった
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全て新潟の方言で書かれているが、知らない私でも読み進めていくうちに違和感がなくなる。作者の物語力がそうさせるのか。ぐいぐい引きこまれる。
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烈がだんだん大人になっていく。 そして、すごく強い子。 烈が小さい時からそばにいた佐穂もとても優しくて強い人だと思った。 意造には佐穂を田乃内佐穂にしてあげてほしかったな。 せきもこれでよかったんだろうか? ハッピーエンドなんだろうけど、読み終わった後なぜか悲しかったです。 宮尾...
烈がだんだん大人になっていく。 そして、すごく強い子。 烈が小さい時からそばにいた佐穂もとても優しくて強い人だと思った。 意造には佐穂を田乃内佐穂にしてあげてほしかったな。 せきもこれでよかったんだろうか? ハッピーエンドなんだろうけど、読み終わった後なぜか悲しかったです。 宮尾登美子さんの他の本も読んでみたい。
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何かとおおごとにせず、穏便に穏便に、というのはなんというか日本人らしいというか。そうやって済ませようとして、先延ばしにしてたら、いざ問題が起きて大騒ぎする。あー、あるある。ってそういう話ではないけども。 昔ゆえの家の体面だとか、なんかまどろっこしい世界に、頑張って生きていく主人公...
何かとおおごとにせず、穏便に穏便に、というのはなんというか日本人らしいというか。そうやって済ませようとして、先延ばしにしてたら、いざ問題が起きて大騒ぎする。あー、あるある。ってそういう話ではないけども。 昔ゆえの家の体面だとか、なんかまどろっこしい世界に、頑張って生きていく主人公に少しずつ惹かれていく。しかし方言を文字にすると読むのが大変で、割と斜め読みしてしまうところもあったり。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
☆4・5ぐらいか。 宮尾作品は、次から次に災難が降ってくるので、ほんと目が離せない。 後継ぎの男児をめぐってぎくしゃくしていく夫婦、すわ家庭崩壊か、蔵元の閉鎖危機かという瀬戸際を支えたのは、失明しながらも家長たる自覚が芽生えたヒロイン・烈だった。 蔵元の再興につけ家族の紐帯が高まる中盤は良かったが、一難去ってまた一難。最後に叔母の純愛が実ったのは良かったけれど。 ヒロインの父親以外の男性が若干軽く扱われすぎているのと、蔵元の話のわりにはあまりお酒についての話題が出ず、ビジネス小説にいたらず、ハンディを背負った女性の色恋や家庭の不和など、日常劇に終わっているのがやや残念。 しかし名家の苦悩というものがよくわかる良作。
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終盤に差し掛かり、主人公に訪れた普通の幸せに、読み手の私まで幸福感に浸る。 なにからなにまで幸せ一色のハッピーエンドではありませんが、読み終わってすっきりとする良い終わり方でした。
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宮尾登美子の「天彰院篤姫」が良かったので、同じ作家のこの本を読みました。 明治から昭和にかけて、新潟の雪深い土地で古いしきたりの大きな家で生きていく人たちのお話。主人公の烈自身も、それを取り巻く家族たちも、決して生易しくはない運命に、ときに流されたりときに果敢に立ち向かったり、...
宮尾登美子の「天彰院篤姫」が良かったので、同じ作家のこの本を読みました。 明治から昭和にかけて、新潟の雪深い土地で古いしきたりの大きな家で生きていく人たちのお話。主人公の烈自身も、それを取り巻く家族たちも、決して生易しくはない運命に、ときに流されたりときに果敢に立ち向かったり、それぞれが懸命に生きていきます。 雪国の情景や、そこに暮らす人々の様子、それと何とも言えない味わいのある方言が、ほんとうにおもしろかったです。最初は方言満載の話し言葉が読みづらかったのだけど、だんだんとそのお国ことばの独特のリズムが何とも言えず魅力的で良かったです。 しかも、ちょうどこの下巻を読んでたときに、会津若松へ1泊旅行しましたが、あたり一面の雪景色で町中には歴史ある蔵元もあり、この小説の世界が余計に身近に感じられて面白かったですよ。 烈は目の病気で視力を失う以外にも、母には早くに先立たれ、父の後妻ともあまりうまくいかず、次々と試練に見舞われるけれども、最後には自分の意志と力で自分の道を切り開いていきます。そこに至るまでの容易ではない道のりが丁寧に描かれています。そして、父も母も、祖母もおばも継母も、どの人たちの生き様も読みごたえがあります。なかなか、どっしりと大変読みごたえのある小説でした。
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『壮絶』『壮大』とはこの本のことを言うのかもしれない! と思わされた作品です。 今までで一番心を熱くさせられました。 この本に出会って、本のすばらしさを知りました。
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田の内家はいままでが悲惨だっただけあって最後の普通の幸せがとんでもなく大きな幸せに見えた。物語のその後でも変わらない烈の強さに真面目に泣いた。ぼっろぼろ。
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