天空の舟(下) の商品レビュー
泣くべきラストではないのに号泣。
冒頭、摯を三顧の礼をもって臣に迎える商后に好感大。摯を高く買ってくれる后に仕えてこそ摯の真価が発揮される。只の農夫でも料理人でもなく、軍才も持ち合わせ、その広い知識で天象も占う。摯が王であってもおかしくないのに、湯の王孫・太甲を名君に導く床しさ。太甲が摯を阿衡とよんだというくだり...
冒頭、摯を三顧の礼をもって臣に迎える商后に好感大。摯を高く買ってくれる后に仕えてこそ摯の真価が発揮される。只の農夫でも料理人でもなく、軍才も持ち合わせ、その広い知識で天象も占う。摯が王であってもおかしくないのに、湯の王孫・太甲を名君に導く床しさ。太甲が摯を阿衡とよんだというくだりでは思わず落涙、どころか号泣した。おススメな名著。
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湯王の中に、底知れぬ…
湯王の中に、底知れぬ欲望を見た伊尹。しかしそれは、後の世まで悪逆の汚名を残す覚悟がなければ、もとより抱かぬ望み。伊尹の心底に、民への憐れみと慈しみを見た湯王。湯王は伊尹に「三顧の礼」を尽くし、ついに彼を幕僚に迎えた。ここに、中国最古の名君&名宰相コンビが生まれ、時代は急激に加速し...
湯王の中に、底知れぬ欲望を見た伊尹。しかしそれは、後の世まで悪逆の汚名を残す覚悟がなければ、もとより抱かぬ望み。伊尹の心底に、民への憐れみと慈しみを見た湯王。湯王は伊尹に「三顧の礼」を尽くし、ついに彼を幕僚に迎えた。ここに、中国最古の名君&名宰相コンビが生まれ、時代は急激に加速していきます。伊尹は、夏王朝転覆の立役者ですが、今日まで彼が尊名を馳せるのは、王朝樹立後、苦難続きですぐ倒壊してもおかしくなかった商を支え続けたからではないでしょうか。特に、湯王の孫の太甲を伊尹が監禁するくだりは有名で、三国志などで
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読み終えるのがもった…
読み終えるのがもったいないと感じさせる一冊です。お勧め
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漢の終焉、そして商の…
漢の終焉、そして商の始まりへ。天地の神々と古代中国人の考え方が、現代中国も共通しているのではないかと思った
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中国歴史長編小説。時…
中国歴史長編小説。時代は夏王朝から商にかけてです。
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開基の功より、守成の勇 紀元前1600年という遥か昔の、文字もない時代の出来事や人間模様を、ここまで完成した物語にしていることに驚嘆する。 また、摯の誕生から商夏盛衰まで、摯の立場や各后のパワーバランスの目まぐるしい変化がうまく描かれているため、最後までだれる部分がなかった。 時代背景にある呪術的思考を、新鮮に感じつつも、そうした一つひとつの思考に共感できる部分があることもまたおもしろい。 それにしても、夏滅亡寸前まで、桀が目覚めなかったのが口惜しい。
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伊尹は一階の料理人から宰相(さいしょう)にまで登りつめた人物である。湯王〈とうおう/天乙〉を助け、夏の桀〈けつ〉王を討って天下を平定。こうして殷(いん/商)が建国される。 https://sessendo.blogspot.com/2020/01/blog-post_7.html
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古代中国の革命を描く中で、夏王朝の滅亡を桀王ひとりの暴虐に帰すのではなく、体制の限界と見ているのが合理的で、湯王を単なる聖王とも、桀王を単なる悪王ともしていない点に読み応えがある(宮城谷版『三国志』での後漢の衰亡もそのように描かれていたように思う)。 しかし合理一辺倒ではなく、あくまで古代は古代であり、呪術が生きている遠い時代としても書くところに、物語の奥深さと伸びやかさがあった。 主人公・伊尹は、史書において「阿衡」(「はかりのごとき人」)と称賛され、政治における絶妙な平衡感覚をもったひととされるけれど、この小説そのものも虚と実のバランス感覚が卓絶した作品であるのだろうと感じた。
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各登場人物の描写が足りないと思う。特に、伊尹が湯王を助けることとなる経緯がスッキリしない。史実にはあまり出てこないからかも知れないが、小説なのだからうまく作り込んで欲しかった。
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自作農の主人公がスカウトされて、勤務先で活躍していく話。現代風に言うと。 そう書くと途端に面白くなさそうに見えるのはなぜだろう。 大きなことは、一人ではできない。組織に属する必要がある。 が、組織に属した途端、多くの人は組織の価値観に染め上げられる。 そうした状況の中で、いかに素志を貫徹できるか。 際立った組織人というものに感じる魅力というのは、その一点に限られるんじゃなかろうか。 主人公は組織(商)に属してしまったことで、その清冽さを失った。 けれど、組織の中で彼の持つ理想を実現しようとし、かつ実行したという点で、その生き様には際立ったものがある。 なんだけど、そうなると所謂「普通の歴史小説」って枠になっちゃうんだよねえ。 いやまあ素材的にそうならざるをえないんだけど、上巻の清々しさが強烈な印象だっただけに。
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