盛り場の民俗史 の商品レビュー
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1993年刊行。宮本常一に師事していた著者が、主として近世江戸から戦前期につき、上野周辺の歓楽街を定点として、その模様・変遷を解説する。昼の歓楽街(行楽)と夜の歓楽街(色街)とを別の章立てとする。岡場所や遊郭などは他書にも書かれ(殊に近世)ており、余り目新しい所はないが、昼の行楽(芝居・歌舞伎小屋、露店)から祭礼日のテキヤの存在など、かなり多面的に説明する点は新奇。終戦直後のドサクサにおいて、①GHQが在日朝鮮・韓国、あるいは台湾人を解放国民としたため、日本の法令に従わずに闇市を跳梁跋扈した点。 ②終戦直後、自力救済の必要性が高まったため、テキヤ独自の武装面を暴力団構成員が担当した点。その結果、歓楽街の治安維持に彼らが利用された一方、終戦の混乱期が収まるにつれ、他の暴力団構成員との対立関係を官憲が企図・実施したことで、テキヤやその背後に対する戦後の悪イメージを刻印したとされる点も、さもありなんと思える情報。
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盛り場の源流としての「門前」と「火除地」。有職渡世の「テキヤ」と無職渡世の「ヤクザ」との違い。「ケハレ」の空間としての歓楽街。法的規制とその抵抗のせめぎあいによる都市構造の変容。
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上野の盛り場の江戸時代からの歴史を追い、その変遷を当時の資料などから記した本。色街だけでなくテキ屋などのことも調べてある。
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