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荻生徂徠 の商品レビュー

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何故、荻生徂徠が「江…

何故、荻生徂徠が「江戸のドン・キホーテ」なのだ?と思った方も、中身を読めば納得。硬い内容なのに読みやすいです。

文庫OFF

2020/06/25

異色の日本思想史研究者である著者が、荻生徂徠の古文辞学について考察をおこなっている本です。 「読者への序言」で著者は、思想家の名前をタイトルにした新書形式の入門書のスタイルを墨守することはしないと宣言していますが、著者自身の問題意識が前面に押し出された内容になっています。 著...

異色の日本思想史研究者である著者が、荻生徂徠の古文辞学について考察をおこなっている本です。 「読者への序言」で著者は、思想家の名前をタイトルにした新書形式の入門書のスタイルを墨守することはしないと宣言していますが、著者自身の問題意識が前面に押し出された内容になっています。 著者は、徂徠の思想における「自然」から「作為」への移行を重視し、日本における内発的な近代化の萌芽を発見したと主張する丸山眞男の『日本政治思想史研究』の議論を踏まえています。ただし著者は、丸山がごくおおまかな思想史的スケッチとして言及していた唯名論と作為との関連に注目し、古文辞学の方法論と西洋の中世哲学における普遍論争を比較し、その言語論としての意義に光をあてています。また、現代思想においてしばしば論じられる言語論と貨幣論の並行関係に目配りをおこないながら、徂徠の貨幣政策の意義とその限界についても、著者独自の見解を示しています。 あくまでも著者自身の問題意識にもとづく徂徠論であって、入門書ではありません。著者の問題意識に共感できる読者にとってはおもしろく読めるのかもしれませんが、著者の議論の枠組みとなっている現代思想的な発想そのものが、いまとなってはややアナクロニズムに見えてしまうこともいなめないように思います。

Posted byブクログ

2016/03/24

荻生徂徠の思想を、仁斎や朱子学にとどまらず、空海や西洋哲学の中にみられる考え方などとも引き比べつつ、解き明かしていく。博学で名調子。読んでいておもしろい瞬間は多々ある。ただ、脇の議論に寄り道しすぎるきらいもあり、徂徠の思想の全体像をとらえるには不適かもしれない。

Posted byブクログ