夢の女 の商品レビュー
士族の娘から妾、娼妓…
士族の娘から妾、娼妓になってゆく薄倖の女性。荷風の常で女性の不幸を美化している嫌いはあります。
文庫OFF
藩士の娘として生まれながらも、家族を養うために廓に身を落としながらも健気に生きる女性の半生。 よくもまぁここまでの哀しい物語を、と思いながらも、当時はこういった命運を辿った女性はきっと多かったのかもしれない。 美しくも強い物語で、読みやすく、良い一冊。
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家族のために働けば働くほど、自分の幸せから遠ざかる浪子と、家族の幸せなど関係なしに自分の幸せを追求する絹子(浪子の妹)の姿が対照的。 「親を大切にする」という儒教の徳目「孝」という概念の正しさを問う作品
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1903(明治36)年、荷風23歳にして米仏渡航直前の小説。 やはり、若書きである。後年の荷風の文章に確かにつながっているものだけれども、いくらか生硬で、後にはあまり使わない感嘆文が頻出し、観念的な文もたまに出てくる。 当時荷風はエミール・ゾラにかなり傾倒しており、そのこと...
1903(明治36)年、荷風23歳にして米仏渡航直前の小説。 やはり、若書きである。後年の荷風の文章に確かにつながっているものだけれども、いくらか生硬で、後にはあまり使わない感嘆文が頻出し、観念的な文もたまに出てくる。 当時荷風はエミール・ゾラにかなり傾倒しており、そのことが窺える作風ではあるものの、あの容赦ない破滅への求心力は無いので、そこは既にして永井荷風の作品世界である。 おっ、と気になったのは、女主人公が貧窮極まり父母妹への仕送りを捻出するために、あえて妾や娼妓へと転身してゆく際に、その自身の境遇を「悲惨」とか「恥ずかしい」「汚れた」などとしきりに表現している点である。娼妓に対してこのような見方を、後年の荷風は決してあらわさなかった。なるほど本人が「悲惨」と感じているならそれは確かに悲惨なのだろうが、そうでもなくてそれなりに生き生きと活動しているのなら、そのようなレッテル貼りは余計なお世話であろう。後年の荷風作品に登場する娼妓・娼婦たちはむしろあっけらかんとしていたり、逆に逞しかったりする印象がある。 荷風の文章は古く難しい語句も並んでいる割には意外と読みやすく、流れるような音楽のような魅力的な文体を呈しているのだが、やはりこの時点では文章に幾分未熟なところは見られる。しかし、本作、物語はなかなか良い。決してつまらない作品ではなかった。若書きではあっても、これはこれで魅力があると感じた。
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雑司が谷霊園で墓参りしたので、永井荷風が読みたくなった。 始めて読んだけど、静かにため息をつきたくなる。美しいとは思うんですが。 家族って寄りかかりあってかえって苦しくなる関係にもなりかねないのかもね…。
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元藩士の家に生まれながら、妾、娼妓へと身を落としていくお浪。 もう、それはそれは可哀相 なのにどうして憧憬… 色白美人が苦悶の表情を浮かべているのをじっとみている荷風先生?
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