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聖徳太子(2) の商品レビュー

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2021/09/25

梅原猛 「 聖徳太子 」 2/4(憲法十七条) 東アジア全体の中で日本を見て、政治と文化と宗教を一体とした聖徳太子を問い直した 凄い巻。初めて知った新説ばかり。 2巻の構成 *崇峻帝暗殺と推古帝(女帝)誕生〜仏教と戦争の矛盾 *新羅侵攻と任那回復〜文化の輸入と近代国家化〜小墾...

梅原猛 「 聖徳太子 」 2/4(憲法十七条) 東アジア全体の中で日本を見て、政治と文化と宗教を一体とした聖徳太子を問い直した 凄い巻。初めて知った新説ばかり。 2巻の構成 *崇峻帝暗殺と推古帝(女帝)誕生〜仏教と戦争の矛盾 *新羅侵攻と任那回復〜文化の輸入と近代国家化〜小墾田還都 *冠位十二階と憲法十七条の関係〜憲法十七条の思想、五重塔的な社会構造 「人間が短期間に偉大なことをする力は、恥辱を源泉とする」に納得 仏教と戦争の矛盾=殺生戒を犯す *維摩経=現実の世界は矛盾、世界は不浄、しかし人間のなかには 永遠の仏性がある *涅槃経=力のない人間は 人間を救済できない。仏教者であっても 悪に対して戦わなければならない *円光「無益な殺生を避け、時と物を選んで殺す」 冠位=儒教の徳の名 *仁義礼智信でなく、仁礼信義智の順序に聖徳太子の理想がある *哲人国家の理想=徳の高い人ほど高い位につく *十七条憲法と冠位の関係〜仁(和)=1-3条、礼=4-8、信=9-11、義=12-14、智=15-17 十七条憲法 *儒教的道徳+和 *和=老荘的、仏教的な徳〜外形的な平和でなく、精神的な和諧、和合〜和は仁と矛盾せず、仁を含み、仁を超えている *5つの徳(仁礼信義智)が説かれている 1条=和=集団的エゴイズムを超克 *儒教は 集団的エゴイズムを抑制しながら奨励している *管子、韓非子など法家は 集団的エゴイズムの悪を強調 *老子は 儒教の集団的エゴイズムに警告 2条=仏教崇拝=聖徳太子の人間観 *いったん 性悪説を通った上での 性善説 *性悪説=人間は悪、ほうっておいたら 争いが絶えない *性善説=全ての人間は 仏性を持っているので 救える 3条 *仏教による人間改造によって 和が実現するが、それは遠い理想 *天皇の命を受けて従うことで 和に近づく

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2014/12/19

第2巻は、前半では朝鮮半島を中心とする東アジア情勢についての考察がおこなわれ、後半では小懇田遷都、冠位十二階制、憲法十七条などを中心に、聖徳太子の政治思想について論じられています。 朝鮮半島では、高句麗が隋の侵攻にそなえ、諸外国との密接な交渉を進めていました。推古天皇、蘇我馬子...

第2巻は、前半では朝鮮半島を中心とする東アジア情勢についての考察がおこなわれ、後半では小懇田遷都、冠位十二階制、憲法十七条などを中心に、聖徳太子の政治思想について論じられています。 朝鮮半島では、高句麗が隋の侵攻にそなえ、諸外国との密接な交渉を進めていました。推古天皇、蘇我馬子、聖徳太子のトロイカ体制を取る日本の朝廷は、そうした状況の中で対応を迫られていました。 また著者は、憲法十七条の中に盛り込まれた思想を理解するためには、仏教のみならず、儒教、道教、法家思想に通じている必要があると論じています。本書では、福永光司からの教示を得ながら、著者自身の太子像に沿った憲法十七条解釈がおこなわれています。

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2014/03/01

(1~4巻通じての感想です) 読みごたえありました。日本の文献や東アジアの状況などを踏まえた大作で、しっかり書かれています。 梅原猛氏の、科学者としての冷静な分析と文学者としての情熱が文章から感じられました。 直観力、着想はいつものことながら素晴らしいです。 なお、若干気に...

(1~4巻通じての感想です) 読みごたえありました。日本の文献や東アジアの状況などを踏まえた大作で、しっかり書かれています。 梅原猛氏の、科学者としての冷静な分析と文学者としての情熱が文章から感じられました。 直観力、着想はいつものことながら素晴らしいです。 なお、若干気になりましたのは、たまに推論、仮定の上に推論、仮定が展開され、いつの間にか事実のように論理展開ているところがあることでした。

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