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新エドガー賞全集 の商品レビュー

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2009/10/04

アメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀短編賞受賞作品のうち、81年から88年分を収録したもの。それ以前の受賞作品は「エドガー賞全集(上・下)』に収録されている。上巻はウィーンにいる間に知り合いから譲り受け読んでいたが、その上巻に収録された賞設立の47年以降の数作品から見ると、この...

アメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀短編賞受賞作品のうち、81年から88年分を収録したもの。それ以前の受賞作品は「エドガー賞全集(上・下)』に収録されている。上巻はウィーンにいる間に知り合いから譲り受け読んでいたが、その上巻に収録された賞設立の47年以降の数作品から見ると、この30年でかなり傾向に変化が生じている印象を得た。47年に初めてこの賞を得たのがエラリー・クイーンであることが象徴的であると思うのだが、この賞の初期の受賞作品は意外な犯人、緻密なトリックを含む本格物が多かったように思う。だが、81年以降の受賞作品を収めたこの書には本格物の名に値する作品は一編もない。受賞資格を持つ短編に残された形式はもはや殺人事件の発生だけなのだろうか。敢えてジャンルで括れば、ハードボイルド、警察小説、サスペンスということになるだろうか。トリックよりも犯罪の背景、都市、人間が厚く描かれるようになったようだ。トリックのアイデアには限界があるということでしょうね。 気に入った作品と作者を挙げておきます。「エミリーがいない」ジャック・リッチー。「アイルランドに蛇はいない」フレデリック・フォーサイス。「ソフト・モンキー」ハーラン・エリスン。 人生に疲れた探偵や警察官が主人公の作品もいくつか。読んるとこっちの気が滅入るので、好きになれなかった。

Posted byブクログ