重力の都 の商品レビュー
谷崎潤一郎に捧げられ…
谷崎潤一郎に捧げられた作品集。谷崎と比べてやはり土俗的な匂いがします。
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紙のように崩れ落ちるのは自分の運命だった。 100回は読んだ。若い頃は、「よしや無頼」や「残りの花」が好きだった。40代になって、「愛獣」の面白さに気付く。ただ、いつも「重力の都」に戻っていく。10代の頃は、この作品と説経節「小栗判官」の関わりを調べたりしたけど、今読むとた...
紙のように崩れ落ちるのは自分の運命だった。 100回は読んだ。若い頃は、「よしや無頼」や「残りの花」が好きだった。40代になって、「愛獣」の面白さに気付く。ただ、いつも「重力の都」に戻っていく。10代の頃は、この作品と説経節「小栗判官」の関わりを調べたりしたけど、今読むとただ、雪の中にひとり取り残されて隣にいた女にはもう二度と会えないような気持ちになる。
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谷崎潤一郎の「春琴抄」をオマージュして書いた作品群とのことで、全体的に耽美的(いわばエロティック)。 しかし、谷崎潤一郎と決定的に違うのは、この作品群は良くも悪くも埃くささを感じさせる。谷崎潤一郎のような洒脱さを感じさせない。 個人的には、実験的な作品群だったのかと感じる。 紀州...
谷崎潤一郎の「春琴抄」をオマージュして書いた作品群とのことで、全体的に耽美的(いわばエロティック)。 しかし、谷崎潤一郎と決定的に違うのは、この作品群は良くも悪くも埃くささを感じさせる。谷崎潤一郎のような洒脱さを感じさせない。 個人的には、実験的な作品群だったのかと感じる。 紀州サーガのような匂い立つような人間臭さはなく、かと言ってつまらない話でもない。 中上健次らしさを求めると、少し肩透かしを喰らわされた感じになるかもしれない。
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谷崎潤一郎『春琴抄』へのリスペクトを込めた連作短編集。 端的に言って極上。作品の持つ神聖さや美しさにゾクゾクする。あとボリュームが個人的に丁度良い。 同氏の文体をなぞり、句読点を排した長文が続く構成だが、内容と整合が取れている。 土臭く滾るような雰囲気が作者の魅力だが、後期にか...
谷崎潤一郎『春琴抄』へのリスペクトを込めた連作短編集。 端的に言って極上。作品の持つ神聖さや美しさにゾクゾクする。あとボリュームが個人的に丁度良い。 同氏の文体をなぞり、句読点を排した長文が続く構成だが、内容と整合が取れている。 土臭く滾るような雰囲気が作者の魅力だが、後期にかけて現れる本作の様な神話めいた雰囲気は非常に好み。
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連作「重力の都」は谷崎の「春琴抄」への心からの和讃である―作者はあとがきにそう記している。つらつらと長い文体はそれゆえに図られたものだが、これがどうにも肌に合わなかった。読みにくい。 しかも谷崎というよりは(もちろんモチーフなどからはそれを感じるのだけど)、阿部公房の「砂の女」を...
連作「重力の都」は谷崎の「春琴抄」への心からの和讃である―作者はあとがきにそう記している。つらつらと長い文体はそれゆえに図られたものだが、これがどうにも肌に合わなかった。読みにくい。 しかも谷崎というよりは(もちろんモチーフなどからはそれを感じるのだけど)、阿部公房の「砂の女」を読んだ時のような不快感とうっすらとした恐怖を感じてしまった。
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中上健次の作品は全て読むべきですが中でも個人的にはこれが1番お勧めです。 本書は確か谷崎潤一郎へのオマージュとして捧げた作品だったように記憶しているのですが、中上健次の文学的ルーツを知るにも大きな役割を持っています。
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タイトル作含め、6編からなる。 他の作品もぜひ読んでみたい、と思わせる独特の世界観。 物語性に触発されるというよりも、絵画をみている感覚に近い。
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大谷崎より先にこっちを読んでしまった。 なので余計に衝撃を受けたのかもしれない。 2002年5月3日読了
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全集には収録されていないのかな?重力の都の連作集。 重力の都のおもしろさはだいぶ下の方の選集の感想で書いたから飛ばす。 刺激的なのは「ふたかみ」。 またもや目を針で突くという印象的なシーンが登場する。 あとは土着的な作品が多い。 息の詰まるような空間の中で性欲を発散させる主人公た...
全集には収録されていないのかな?重力の都の連作集。 重力の都のおもしろさはだいぶ下の方の選集の感想で書いたから飛ばす。 刺激的なのは「ふたかみ」。 またもや目を針で突くという印象的なシーンが登場する。 あとは土着的な作品が多い。 息の詰まるような空間の中で性欲を発散させる主人公たちが 一見、荒々しいながらも綿密に描写されていておもしろい。
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夏のビーチでも読書がはかどるくらい、 オモローな本だった。 山あいの緑を揺らす風のような、 とめどない欲望と愉楽。 谷崎は男がMだけど、 谷崎に捧げたというこの連作は男がSな感じ。
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