遠い国からの殺人者 の商品レビュー
197冊目。マンションの一室で男が何者かに刺殺されたが、その被疑者は国籍を偽り不法滞在する、元ストリッパーの女性だった。その裁判の行方は…。 例に漏れず、予備知識を持たず、あらすじも読まずに読み始め、なんかこうドキュメンタリーくさく感じた。というのも、小説にしては展開が地味だし...
197冊目。マンションの一室で男が何者かに刺殺されたが、その被疑者は国籍を偽り不法滞在する、元ストリッパーの女性だった。その裁判の行方は…。 例に漏れず、予備知識を持たず、あらすじも読まずに読み始め、なんかこうドキュメンタリーくさく感じた。というのも、小説にしては展開が地味だし、犯人探しかと思いきや、あっという間に捕まるしで、一体どこを主軸にしたのかわかりにくい。 また、章によって主体が女性だったり匿っている男性だったり弁護士だったりと、結構コロコロ変わり、「生い立ちはこうであった」→「実は出身国は全部嘘でした」みたいな、どこを信じたら良いのかわからないところも今ひとつ。 結局のところ、フィリピン人の女性が日本で搾取され、「世間が悪いんや」みたいな話になるのかと思えば、最後の最後でまた違う話(その部分はどう読んでも小説)が出てきたりする。全体に散漫。 直木賞をとった作品ということで、ドキュメンタリーではないのだろうけど、だったら搾取されてどんどんにっちもさっちもいかなくなる、つらい状況を書いてくれたほうが、なんぼか読みやすかったと思う。 ついでに「○○はしかし、」が多すぎ。他のレビューにもあったがダイイングメッセージ「ジューゴー」は「人間の証明」のパクリね、なるほど。
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