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2019/07/16

1988年から89年にかけて、NHK教育テレビの『こころの時代』で放送された内容を、本にまとめたものです。 著者は「あとがき」のなかで、仏教の智慧は「近代の諸科学(近代仏教学も含めて)の思惟が対象的思惟であるのに対して、全人格的思惟と呼ぶことができる」といい、戒・定・慧の三学を...

1988年から89年にかけて、NHK教育テレビの『こころの時代』で放送された内容を、本にまとめたものです。 著者は「あとがき」のなかで、仏教の智慧は「近代の諸科学(近代仏教学も含めて)の思惟が対象的思惟であるのに対して、全人格的思惟と呼ぶことができる」といい、戒・定・慧の三学を統合するものだと述べています。こうした立場から、著者は釈尊の思想を近代仏教学の枠組みから解放し、著者自身の行を通じて会得された体験をもとに、仏教の根本的な問題に参究することをめざしています。 本書が解説しているのは原始仏教だけにとどまらず、道元や親鸞、『華厳経』や『大日経』などにも言及しながら、それらのうちに上で述べたような仏教の全人格性が受け継がれていることを明らかにしようとしています。 テレビ番組をもとにしているということから、わかりやすい語り口で説明がなされていますが、随所に著者自身による仏教の根本問題についての解釈が織り込まれており、さまざまな問題を読者に向けて投げかけている本だといえるように思います。

Posted byブクログ